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「長谷川さんが夜遅くまで」ドラフト1位新人のホークス佐藤直樹、初の猛打賞

田尻耕太郎スポーツライター
打撃力向上で一軍昇格を目指す(筆者撮影)

上林が右中間へ2号

 10月1日、福岡ソフトバンクホークス二軍は、タマホームスタジアム筑後で行われたウエスタン・リーグ公式戦で広島東洋カープ二軍と対戦した。

【10月1日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1018人】

広島     101003100 6

ソフトバンク 010100010 3

<バッテリー>

【C】◯モンティージャ(2勝2敗)、今村、S藤井皓(1セーブ)――中村奨

【H】●小澤(1勝1敗)、野澤、加治屋、奥村――谷川原、海野

<本塁打>

【H】上林2号

<スタメン>

【C】8宇草 4羽月 6小園 3林 D安部 9正随 2中村奨 7木下 4韮澤

【H】6西田 4三森 9上林 Dバレンティン 5野村 7水谷 3リチャード 8佐藤 2谷川原

<戦評>

 ソフトバンクが連敗。先発の小澤は五回まで2失点と粘ったが、同点の六回に1アウト満塁となったところで降板。2番手の野澤は中村奨を捕邪飛に打ちとるも、木下に走者一掃の右翼線3点二塁打を放たれて勝ち越しを許した。小澤は5回1/3を5失点で今季初黒星を喫した。

 打線は二回と四回にいずれも佐藤がタイムリー。佐藤は3安打2打点の活躍だった。八回には上林が右中間へ今カード2発目となる2号ソロを放った。(了)

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2日連続の親孝行

佐藤直樹外野手(筆者撮影)
佐藤直樹外野手(筆者撮影)

 チャンスに強い男だ。前日2打点の佐藤直樹外野手がこの日は3安打2打点とさらに存在感を発揮した。小川一夫二軍監督も「ご両親が観に来ていたみたい。参観日にいい親孝行をしたな」と活躍を称えた。

 好投手の左腕モンティージャを攻略した。二回2アウト一、二塁の第1打席は外角低めのチェンジアップに食らいついてライト前にぽとりと落とすタイムリー。四回の第2打席も2アウト一、二塁で変化球を今度はレフトへ運んでまたもタイムリーだ。これで18打点として、チーム3位に浮上した。そして第3打席は七回1アウト走者なしの場面。147キロの速球をとらえて右中間フェンス直撃の三塁打にした。

内川や長谷川から教え

「1試合3安打はプロに入って初めて。嬉しいです。だけどこれを続けないと意味がない」

 笑顔は一瞬だけ。自信の打率を顧みれば、表情を引き締めたくなる気持ちもよく分かる。この日の4打数3安打を加えても、シーズン打率は.192までしか上がらない。一軍昇格への課題は明確だ。

「同じ右打者の内川(聖一)さんから学ぶこともありますし、先日まで長谷川勇也にたくさんアドバイスをいただきました。ナイター後の夜遅くに屋内練習場で僕がマシン打撃をした時も、長谷川さんはずっと付き合ってくれて。23時を回っていたと思います」

成功率10割の盗塁王へ

 一方で定評のあった俊足ではしっかり結果を残している。前日9月30日の試合で今季10盗塁目を決めて、ウエスタン・リーグトップの滝野要(中日)に並んだ。

「盗塁王を獲りたい。ファームだとしても、何かを残したい」

 また、10盗塁を成功させている一方で失敗はゼロ。盗塁成功率10割にチーム内の評価も高まっている。もちろん一軍昇格もあきらめてはいない。「まずは自分のやれることをきっちりやって、アピールしたい」。目標へ猛ダッシュしたい気持ちを敢えて抑えつつ、地道に力をつけていく構えだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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