ハイサグラフと東京の四季
縦軸に気温、横軸に降水量をとり、気候の年変化を表すハイサグラフ。春夏秋冬とは違う季節変化が見える。東京は「気温・降水量」から2つの季節がくっきりと浮かび上がった。
夜空に浮かぶ星座?
これは東京と新潟のハイサグラフ(Hythergraph)です。聞きなれない言葉ですが、気候の年変化を表すクライモグラフの一種で、地理の授業で習ったと思い出す方もいるでしょう。
クライモグラフは地理学者のテーラー(G.Taylor)が提唱し、今年で約100年になります。異なった土地の気候の違いが一目でわかる長所があり、まるで夜空に浮かぶ星座のようにも見えます。
八の字を描く季節変化
東京のハイサグラフをみると、まず目に留まるのが八の字を描いていることです。気温が高くなると雨が多くなり、気温が低くなると雨が少なくなるという特徴がはっきりと出ています。
天気には暖候期、寒候期という言い方がありますが、東京の場合はそれが見事に当てはまるようです。
しかし、同じ八の字型でも新潟はちょっと違います。新潟は気温が低くなると降水量が多くなる、つまり冬は日本海の影響を受けて雪が多く降ることがよく表れています。
11月はこんなに寒かった?
「今年は秋がなかった」そう感じる人が多いのでしょうか?
9月は雨にたたられ、10月は暑く、11月になったら急に寒くなり、秋晴れのイメージがないのかもしれません。
昨日(11日)の東京の最高気温は12.1度で、11月前半(1日ー15日)としては1989年以来27年ぶりの寒さ。そして、今日(12日)は穏やかに晴れて、正午過ぎには18度を超えました。
どうしてこんなにも気温の変動が大きいのでしょう?
一番の原因は上空の流れや天気にありますが、ハイサグラフをみると10月から11月は気温、降水量ともに一年で最も変化が大きい時期であることがわかります。天気が外れやすい言い訳としては厚かましいですが。
【参考資料】
倉嶋厚,2002:大学テキスト日本の気候,古今書院.