WBAライト級王座空位決定戦に挑む38歳の元チャンプ
キューバのフライ級代表選手だったユリオルキス・ガンボアが、アテネ五輪で金メダルを獲得したのは15年前のことだ。
ガンボアは28日(現地時間)、空位となっているWBAライト級王座決定戦に挑む。つい先日、38歳の誕生日を迎えたばかりである。世界戦のリングに上がるのは、2014年6月以来のこと。前回は、テレンス・クロフォードの持つWBOライト級王座に挑戦した。チャンピオンもチャレンジャーも共に戦績が23戦全勝16KOで注目を集めたが、ガンボアは第9RにKO負けを食らった。
2007年にプロデビューしたガンボアは、故エマニュエル・スチュワードの教えを受けている。だからこそ、私は彼に思い入れがある。ガンボアはその頃、赤字でKRONKと刺繍された白いミズノ社のリングシューズで汗を流していた。TEAM KRONKの一員ということは、トーマス・ハーンズ、ミルトン・マクローリー、そしてレノックス・ルイスの後輩にあたる。
スチュワードが鬼籍に入ったのは2012年10月25日だが、ガンボアはその2年ほど前までKRONKカラーの黄色いTシャツを着てトレーニングを積み、WBA、IBFフェザー級タイトルを手にした。
今回、25歳のファイター、ガーボンタ・デイビスと戦う大ベテランのガンボアは、自信満々だ。マイアミでのトレーニングキャンプ中、デイビスなど眼中に無いといった調子で話した。
「今、非常に調子がいいんだ。チャンスを与えてもらって感謝している。自分に何が出来るのかを証明してみせる。俺がトップファイターであることを見せつける試合になるぜ」
「俺のキャリアが武器となるのは間違いない。アドバンテージはこちらにある。準備万端だよ」
「まだ味わってはいないが、デイビスはパワーがあるよね。俺たちのファイトが素晴らしいものになるのは疑いの余地がない。まさしく、一瞬一瞬が”WAR”と表現できるファイトになるさ。同時に、インテリジェンスもお見せしたいね」
「去る7月27日にデイビスと俺は同じ興行で試合が組まれ、それぞれファイトした。でも、奴の試合をわざわざ見ようとは思わなかった。控え室でファイトマネーを受け取って、すぐにホテルに戻ったよ」
ガンボアのアシスタントトレーナーであるステイシー・マッキンレーは、こんな言葉を口にする。
「シュガー・レイ・レナードがトーマス・ハーンズと戦った際、『お前を深い水の底に沈めてやる』って言ったよな。今回、我がチームはそんな決意で臨む。デイビスを沈め、王冠を頂く」
38歳の元チャンピオン、ガンボアは、先のノニト・ドネアのようにコンディションを築き上げることができるか? 何を見せるか。