25年振りのポカリスエットの瓶はリニューアブル
大塚製薬が、瓶を洗浄•再充填することで繰り返し使用出来る、ポカリスエットリターナブル瓶250mlをイオンおよびイオンスタイル66店舗で7月12日に瓶タイプとしては25年振りに発売した。
このリターナブル瓶は環境に良いだけではなく、オシャレでSNS映えする観点からの購買と家庭で別の用途で繰り返し使う人も出てきそうなデザインとなっている。
夕方に筆者がイオン横浜新吉田店に行ったらすでに品切れでイオン駒岡店に問い合わせたところ同様で次の入荷が未定との事でなかなか人気を博しているようだ。
ポカリスエットは発売時の1980年には缶だけでなく希釈用のパウダータイプを展開。1985年には瓶タイプが一時期発売になるなど、ポカリユーザーは多様化する飲み方に慣れているというのもある。
近頃は、サウナーの間で、ポカリスエットとオロナミンCをミックスした"オロポ"が人気になり、筆者も自宅で配合して時折楽しんでいる。
但し、1995年には容器包装リサイクル法が施行され小型ペットボトルの自主規制がなくなり、小型の安くて軽くて割れない持ち運びしやすいペットボトルにポカリスエットに限らずすっかり置き換わってしまった。
ペットボトルはリサイクルすれば問題ないと考えている方も多いですが、その収集・分別・洗浄・リサイクルには税金を含む大量の社会的コストが投入されているという側面もあるのも忘れてはならない。
近年は海洋プラスチックが世界的に問題になり、気候変動対策の高まりもあり、使い捨てプラスチックの使用をできる範囲で減らしていこうという流れの中、プラスチック資源循環法という新しい法律がこの4月から施行されている。
その法律では、これまでの3R(リデュース、リユース、リサイクル)に加えてRenewable(リニューアブル)、プラスチック素材をより環境負荷の低い材料に置き換えるという概念が掲げられており、今回のポカリスエットのリターナブル瓶の取組は正にそれにかなったものと言えると思う。
近年、若い人を中心にエシカル消費という、環境配慮を含むより倫理的な商品がカッコいいという動きが盛んになっているように、オシャレで環境にも社会にもいい商品というものに付加価値が求められていて、企業もそうした商品開発により積極的に進めていく必要性が増している。そんな事情から環境への取組は更に進んでいき、かつ企業もより儲かるという好循環が生まれていく可能性も秘めている。
今後のリターナブル瓶が世の中に浸透・一般化するには、コンビニなどを活用した専用返却ボックスの拠点の拡大と、多数のメーカーの参画が欠かせない。しかしながら最も大事なのは消費者自身が環境に対する意識を進化させ、日頃の生活スタイルを行動変容させる事かもしれません。