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火の国サラマンダーズ、来季NPBファーム参入断念を表明。神田代表「資金調達に至らなかった」

田尻耕太郎スポーツライター
火の国サラマンダーズのホーム試合

 プロ野球独立・火の国サラマンダーズは26日、来季からのNPB2軍戦の参加申請を断念することを表明した。

 NPBは今年4月に「『ファーム・リーグ拡大』について」と、2軍戦のみに参加する新規球団を公募することを正式決定。公募を検討する企業やチームを対象に説明会を実施し、火の国サラマンダーズはいち早く興味を示して説明会に出席していた。

 来季2024年シーズンからの参入を希望する場合、7月31日が申請の締切期限となっている。

今季開幕時に撮影。マイクを持つのが神田代表。右後方は馬原孝浩監督
今季開幕時に撮影。マイクを持つのが神田代表。右後方は馬原孝浩監督

 そのうえで球団の神田康範代表取締役兼GMが5月26日に熊本市内で会見を行い参入意向を正式に表明。しかし、7月中旬までに増資による新株主や新規スポンサー獲得などで資金繰りの目途がたつことを条件としていた。

 それから2か月。

 神田代表はビデオメッセージの形で「新株主を募集し、東京の大きな企業数社からも興味のオファーをいただいたが、熊本との縁がないことやNPB自体には興味があるものの1軍に直結しないといった理由で結果的に資金調達に至らなかった」と理由を述べ、来季からのNPBファーム参入についてこの日をもって断念したと口にした。

 一方で2年後の2025年シーズンからの新規参入球団の申請締切については8月31日と期限にはまだ余裕があるが、神田代表は「参入を1年先延ばしにしても、資金調達するまでの期間は1か月しか伸びない。これまでの動き、(スポンサーに名乗り出る)企業の反応などを見ると非常に難しいと考えている。いったん私としては積極的な動きをやめてシーズンに集中し、来季以降も九州アジアリーグで火の国サラマンダーズがしっかり発展できるように努めていきたい。ただ、8月まで期限はある。もし興味を持たれる企業あれば話は聞きたいと思っていますが、私はいったん九州アジアリーグでチームを発展させる方向に集中したい」と述べた。

 火の国サラマンダーズはヤマエグループ九州アジアリーグで初年度からの3連覇に向けて現在首位を快走している。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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