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核の数の増加に言及した「金正恩重大発言」 7度目の核実験については言及せず!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
建国記念日に演説する金正恩総書記(朝鮮中央通信から)

 金正恩(キム・ジョンウン)総書記は9日、建国76周年を党と政府及び軍幹部らと記念した席で演説し、水害復旧を含めた民生、経済全般について語ったが、国防部門では核問題について以下のように言及していた。

 ▲我が国を取り巻く周辺軍事的安全環境は米国が主導する軍事ブロック体系の無分別な拡張策動、それが、核に基盤を置いた軍事ブロックという性格に進化していることに伴い重大な危機が我々の前に迫っている。

 ▲明白な結論は、我が国の核力量とそれを国家の安全権を保障するうえで任意の時に正しく使えることのできる態勢を徹底的に完備しなければならないことだ。

 ▲我々は今、核兵器の数を幾何級的に増やすことに対する核武力建設政策を貫徹しており、我が国の核戦闘武力を堅固な指揮統制の下で運営している。

 ▲我が国は責任ある核保有国である。常に厳重な核脅威を受けている我々が自らを守るため持つ核兵器は誰にも脅威とはならない。我々の核武力を脅威と騒ごうとする勢力は我が国を核で攻撃しようとする敵意を持っていることを自認することになる。

 ▲強力な力こそが真の平和であり、我が国家発展の絶対的な担保である。

 ▲我が国は核を保有する敵国が強要するいかなる脅威的な行動にも徹底的に対応できる核力量を不断に強化することであろうし、核武力を含む国家の全ての武装力を完全な戦闘準備態勢下に置くための対策と努力を倍加するであろう。再度強調するが、我々の志向と絶え間ない努力による我が国の軍事力は加速的に、持続的に進化するであろうし、我々はそれが到達する限界点を逃さないであろう。

 金総書記は韓国で噂されている米大統領選挙前後の核実験については触れていないが、核の数を可及に増やすことを公言していることから遅かれ早かれタイミングを計り、7度目の核実験に踏み切るものとみられる。

 現在の北朝鮮の核の保有数はスウェーデンのストックホルム国際平和研究所をはじめ国際研究機関などでは50発程度と推定している。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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