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【家庭菜園・自然農でお金を稼ぐ】方法②体験を売る

かーびーファームインタープリター/自然農YouTuber

今回の記事について

前回記事の続きで『自然農でお金を稼ぐ、仕事にする』方法②体験を売るについてです。
まだ前の記事を読んでいない方は先にでも後にでも良いので読んで頂けると理解が深まると思います。

※今回の記事の内容はYouTubeチャンネル『ちょこっと自然農』にて動画でアップ済です。
↓こちらも前回の記事に載せた動画と同じものなので視聴済の方は飛ばして下さい。

※枠内の文は前回記事の冒頭部分と同じものです※
タイトルと内容に自然農だけではなく『家庭菜園』も含めたのは、両者に共通することがあり自然農を収益化するノウハウはそのまま家庭菜園を収益化する方法としても使えるからです。自然農と家庭菜園の共通点は、少量多品目栽培、生産販売の為の栽培よりも自給的栽培が向いているということです。『仕事としての農業』の基本というか前提となる、農産物を栽培して販売することに不向きな畑のやり方でお金を稼ぐと言うことです。
先のその3つの方法を挙げておくと
1.農産物を売る
2.体験を売る
3.情報を売る
但し、本職の農業ほど稼げる方法ではなく、月に数千円~数万円程度の収益化です。
週末農業をやっている方、いずれは就農しようと考えている方、退職後は田舎で農業やってみたいと思っている方、家庭菜園もやっていないけど農業関係で副業をやってみたいと思う方は読んでみて下さい。もちろん、最初は小さく週1~2日程度で始めて、稼げるようになってきたらそれを月収数十万円の仕事に育てていくことも可能です。

それでは本題に入ります。
今回は【2.体験を売る】です。

2.体験を売る

収穫体験や農作業体験のイベントを企画・集客してその参加費でお金を稼ぐ方法です。
私の場合、野菜は色んな種類の物を少しずつ(といっても家庭菜園よりは多い)栽培していて、いわゆる『少量多品目栽培』です。

2018年頃までは野菜の宅配販売や、バザーでの出店販売などもやっていましたが、現在では殆どそういった野菜販売はやらなくなりました。

では、育てた野菜はどうしているのかというと、体験の一つとして販売しています。

野菜を売ることを辞めた百姓

少量多品目栽培は、新規就農をした方や有機栽培を始めた方が取り組みやすい方法で、私自身も自然農をやりたかったので必然的に少量多品目栽培となりました。

その結果、全くもって不向きなやり方での販売を行っていたことに数年を費やしてから気がついたんです。

野菜生産して販売するだけなら自然農はかなり効率が悪いです。効率が悪くても売上げを上げるには、その分頑張るしかないという根性論になります。

これは、多くの新規就農で有機農業を目指した方がハマる所じゃ無いかと思います。それゆえに、ものすごく頑張っているのに稼げずに苦しい思いをしている農家さんが多いような気がします。

だったら、自然農を辞めて有機栽培か、いっそ慣行農法にした方が農業でお金を稼ぐには正しい判断です。

でも、私の場合はそもそもが『野菜の生産販売でお金を稼ぎたい』のではなく、
『自然農を通して自然環境や食のことを伝えたい』というのが中心にあったことなので、
有機栽培ならまだしも、一般的な慣行農法をやるという選択は無かったんです。

で、自然農を続けるにはどうしたもんか?と考えて出た答えが『野菜を売るのを辞める』だったんです。

自然農を活かすのは畑での体験

私が畑に仕事として携わり始めたのは2011年9月に体験農園の管理人の仕事がきっかけで、その翌年の春から、業務外の時間で空いている区画を手入れして個人的にお客さんを集めて畑イベントをやり始めました。それが好評で、今では3つの運営チームで月に3回ほどイベントを定期開催しています。

少量多品目とはいえ、野菜は自家消費には多すぎるほど育てているので、それらを無駄にしない為にはと考えたのが、収穫体験と体験イベントのお土産にするという方法でした。

畑イベントの参加費に野菜代を含めて金額の設定を行います。これには多くのメリットがあります。

【収穫体験で野菜販売するメリット】

①収穫・洗浄・梱包の手間が掛らない
②野菜の送料や販売の手間が掛らない
③宅配セットのようにきっちり野菜の品数と量を用意しなくても対応できる
④クレームが非常に起きにくい

⑤自然農の畑の魅力を直接伝えることが出来る

自然農のデメリットというか、苦手なことが野菜の品質と量を安定して大量に生産することです。それが苦手だから、少量生産になり、だから野菜の単価も高くなってしまうか、全く割に合わない値段で販売するしかなくなります。

大きさや形、生長速度のバラツキが大きいと揃えるのが大変だし、慣行に比べて小さい。
虫や土が付いているかもしれないのチェックと洗浄が要るなど、味そのものよりも、形や大きさが揃っていることと値段の安さが求められる一般流通には不向きなことが多いんです。

でもそれが、畑体験イベントになればデメリットどころか強みに変わりさえします。

そしてなにより、自然農の最大の強みは畑が面白いということで、それを活かすには畑に来て貰わないと始まらないんです。

色んな草花が生えていて生き物もたくさんいる畑は、特に小さいお子さんを持つお母さん達に大人気です。子どもを自然に触れさせたいという気持ちは多くの親御さんが持っている気持ちなのですが、現代ではそれができる場所がとても少なくなってしまっています。

特にお子さんが小さいと危険な場所には行きにくいのですが、畑なら危険も少ないし、自然農なら農薬も使っていないから安心して遊べます。

これは、単一の野菜しか植えられていない慣行農法の畑には無い大きな魅力です。

ファームインタープリター/自然農YouTuber

愛知県西尾市にて自然農を実践してます。 農を切り口にして自然の面白さや大切さを伝える情報発信や体験イベントも行い、 農の楽しさを伝える『ファームインタープリター』を自称してます。 『野菜を売らない百姓』でもあり、 売らなくても良いからこそ自然農にまつわる色々な実験や研究をやって その様子をYouTubeにて発信しています。

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