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ジャッジの60本塁打、デラクルーズの80盗塁、大谷の50-50。届きそうなのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Aug 22, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月22日、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、シーズン48本目のホームランを打った。ヤンキースは、この日が128試合目。レギュラーシーズンは、あと34試合が残っている。

 128試合で48本塁打を162試合に換算すると、60.75本塁打となる。62本塁打を記録した2年前は、ヤンキースが128試合を終えた時点で49本塁打だった。

 直近の34試合、ヤンキースの95試合目から128試合目までに、ジャッジは16本のホームランを打っている。ここからの34試合もそれと同じだと、48本+16本=64本。2年前の本数を上回る。ちなみに、ここ10試合のホームランは7本。直近の3試合は、1本、2本、1本の計4本だ。

 シーズン本塁打の歴代ランキングにおいて、2022年のジャッジより上にいるのは6人。2001年に73本塁打のバリー・ボンズ、1998年に70本塁打のマーク・マグワイアと66本塁打のサミー・ソーサ、1999年に65本塁打のマグワイア、2001年に64本塁打のソーサ、1999年に63本塁打のソーサだ。

 シーズン60本塁打以上は、他に2人、1961年に61本塁打のロジャー・マリス――年の下二桁と本数が同じなので覚えやすい――と1927年に60本塁打のベーブ・ルースだ。今シーズン、ジャッジが60本塁打に到達すると、歴代トップ10は、いずれも60本塁打以上となる。現時点の10位は59本塁打。1921年のルースと2017年のジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ヤンキース)だ。スタントンは、8月22日の試合で、今シーズン、8月22日の試合で、シーズン21本目のホームランを打った。

 一方、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、史上6人目の「40-40」まで、あと1本塁打と1盗塁に迫っている。

 ヤンキースと同じく、ドジャースも128試合を終えている。128試合で39本塁打と39盗塁を162試合に換算すると、49.36本塁打と49.36盗塁だ。直近の34試合は、11本塁打と17盗塁を記録している。ここからの34試合がそれと同じ場合、ホームランは39+11=50、盗塁は39+17=56となる。

「50-50」を達成した選手は、まだいない。ちなみに、10刻みではなく5刻みにすると、「45-45」でも史上初だ。

 また、エリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)は、8月21日にシーズン60盗塁目を記録した。ホームランは22本なので、10刻みでホームランと盗塁の数を揃えると――少ないほうに合わせると――「20-20」だが、揃えずに表記すると「20-60」となる。

 127試合で22本塁打と60盗塁は、162試合で28.06本塁打と76.54盗塁のペースだ。それより少し上の「30-80」なら史上初。昨シーズン、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)が41本塁打と73盗塁の「40-70」を達成したので、「30-70」では初にならない。「20-80」は、過去に3人が成し遂げている。

 なお、こちらの表記、10刻みでホームランと盗塁の数を揃えない場合、大谷は「50-30」だと史上初。50本塁打に到達すれば、「50-30」を超え、「50-40」となりそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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