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ノーヒッターまで3アウトのところでホームランを打たれる。同じ投手が3週間に2度

宇根夏樹ベースボール・ライター
バウデン・フランシス(トロント・ブルージェイズ)Sep 11, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月11日、バウデン・フランシス(トロント・ブルージェイズ)は、ヒットを打たれることなく8イニングを投げ、9回表のマウンドに上がった。そして、イニングの先頭打者、フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)にホームランを打たれた。フランシスに代わり、チャド・グリーンがマウンドに上がった。

 まるで、デジャブのようだ。8月24日の試合でも、フランシスは、ノーヒッターまで3アウトに迫った。こちらも、9回表の先頭打者、テイラー・ウォード(ロサンゼルス・エンジェルス)にホームランを喫し、グリーンと交代した。

 8月24日は、降板した時点で2点リードしていた。そこから、グリーンが3人を続けて討ち取り、フランシスは白星を手にした。一方、9月11日は、1対1の同点となった。それだけでなく、グリーンは、イニングを終わらせることができなかった。

 内野安打と悪送球、四球、四球、犠牲フライ、四球、犠牲フライで2点を取られ、さらに、グリーンと代わったイェニシス・カブレラがホームランを打たれた。その裏、ブルージェイズは1点を返すにとどまり、2対6で敗れた。

 フランシスは、2017年のドラフトでミルウォーキー・ブルワーズから7巡目・全体204位指名を受け、2021年7月のトレードでブルージェイズへ移籍した。今シーズンはメジャーリーグ3年目。現在の年齢は28歳だ。

 過去2シーズンは、メジャーリーグでリリーフとして計21試合に登板した。今シーズンは、先発11登板とリリーフ14登板。AAA降格とそこからの昇格を挟み、先発2登板→リリーフ4登板→先発1登板→リリーフ9登板→先発1登板→リリーフ1登板→先発7登板と推移している。

 直近の7登板は、ノーヒッターまで3アウトの2登板を含め、7イニング以上を投げて1失点以下の登板が5度を数える。それ以外の2登板は、5イニング2失点と6イニング3失点だ。このスパンは、48.0イニングで防御率1.50を記録している。

 まだ、サンプル数は多くないものの、フランシスは、ブレイクしつつあるのかもしれない。そうであれば、近いうちにノーヒッターを達成してもおかしくない気がする。

 なお、スタットキャストによると、主要2球種は4シームとスプリッターだ。そこにカーブを交え、右打者にはスライダーも投げる。4シームは90マイル台前半なので、それほど速くはない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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