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リリーフ左腕の「骨折」が痛いのは本人よりもドジャース!? ブルペンの左投手は他に1人だけ

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンソニー・バンダ(ロサンゼルス・ドジャース)Aug 25, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月10日、ロサンゼルス・ドジャースは、アンソニー・バンダを故障者リストに入れ、ブルースター・グラテロールを故障者リストから復帰させた。

 バンダとグラテロールは、リリーバーという点が共通するが、バンダは左投手、グラテロールは右投手だ。

 バンダの怪我は、左手の亀裂骨折。ロサンゼルス・タイムズのジャック・ハリスやジ・アスレティックのファビアン・アーダヤらによると、デーブ・ロバーツ監督はバンダの怪我について、9月9日の登板後に硬い物を叩いた、と語ったという。

 2点ビハインドの6回表、無死一、三塁の場面で、ウォーカー・ビューラーと交代したバンダは、イニングを終わらせるまでに3本のヒットを打たれ、3点を取られた(自身の失点と自責点は2)。8月30日以降、バンダは、4登板中3登板で得点を許している。

 ただ、それらを含めても、メジャーリーグ8年目の今シーズンは、46登板で47.1イニングを投げ、奪三振率9.51と与四球率3.42、防御率3.23だ。それまでの7シーズンは、35登板以上も35イニング以上もなく、防御率3.60未満も皆無だった。

 バンダの離脱により、ブルペンにいる左のリリーバーは、アレックス・ベシアだけとなった。

 ライアン・ヤーブローは、夏のトレードでトロント・ブルージェイズへ移籍した。ドジャースは、ヤーブローと交換に、外野手のケビン・キアマイアーと金銭を獲得した。

 ニック・ラミレスは、山本由伸の復帰に伴い、DFAとなった。ウェーバー公示中に獲得する球団が現れなければ、FAになるよりもドジャースに残ることを選ぶかもしれないが、今シーズンは8登板の13.1イニングで防御率6.08だ。

 現在、AAAにいるジャスティン・ウロブレスキーは、9月7日にメジャーリーグでリリーバーとして2イニングを投げたものの、本来はスターターだ。今シーズン、メジャーリーグの7登板中6登板は、先発マウンドに上がっている。AAとAAAでは、先発登板が計18度、リリーフ登板はゼロだ。

 レギュラーシーズンが終わるまでにバンダが復帰できるのか、ポストシーズンで投げられるのかは、まだわからない。

 今シーズン、ベシアとバンダがどちらも登板した試合は、17度を数える。バンダは、5月17日に加入するまで、クリーブランド・ガーディアンズ傘下のAAAで投げていた。移籍直後にバンダが昇格した5月19日以降に限ると、2人揃って投げたのは、ドジャースの97試合中17試合、全体の17.5%ということになる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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