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ダービーファンファーレ作曲者・すぎやまこういち氏の多大な競馬文化への貢献

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
2007年ウオッカが日本ダービーを制した日もすぎやま氏の楽曲がファンを盛り上げた(写真:Yoshiharu Hatanaka/アフロ)

 作曲家のすぎやまこういち氏が亡くなった。90歳。「ドラゴンクエスト」シリーズの作曲で知られるが、競馬ファンにとっては日本ダービーのファンファーレに代表される東京競馬場と中山競馬場で行われるレースのファンファーレの作曲者として知られている。

■2012年皐月賞 優勝馬ゴールドシップ

 2分34秒あたりからすぎやまこういち氏作曲のGIファンファーレ演奏

 さらに、すぎやま氏は実は他の競馬場のファンファーレや本馬場入場曲を作曲した作曲家陣の招集にも関わっていた。

 そして、この集められたメンバーが凄い。京都・阪神は宮川泰氏、札幌・函館は鷺巣詩郎氏、福島・新潟は服部克久氏、中京・小倉は川口真氏。1987年から使われるようになったすぎやま氏ら有名作曲家によるファンファーレや本馬場入場曲は日本の競馬文化に多大な影響をもたらした。

(なお、2021年現在、2010年以降の本馬場入場曲など楽曲が変更されているものもある。また、1987年頃は高松宮記念は中京のGIではなかったことも書き加えておく。)

■1998年毎日王冠(GII) 優勝馬サイレンススズカ

 0分11秒あたりからすぎやまこういち氏作曲のGIIファンファーレ演奏

 筆者は大昔、フジテレビのハイビジョン競馬中継の解説をしていたが、その番組にすぎやま氏がゲストに来て下さったことがあった。あれほどの功績をお持ちの方なのに、茶目っ気たっぷりに軽快に、とにかく楽しそうにお話ししていた様子が印象的だった。

 謹んで、すぎやまこういち氏のご冥福をお祈り申し上げます。合掌。

■すぎやまこういち氏作曲 グレード・エクウス・マーチ(GI本馬場入場曲)

■すぎやまこういち氏作曲 GIレースファンファーレ 関東(東京・中山)

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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