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「必ず世界チャンピオンになる」と太鼓判を押された男の今

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:山口裕朗

 WBOアジアパシフィックミニマム級王者、重岡銀次朗。昨年の大晦日に、同タイトル初防衛戦を5回KO勝ちで飾り、目下の戦績は5戦全勝4KOである。

 大晦日のファイトはファーストラウンドに左ストレートを浴びせ、早くもダウンを奪った。2、3ラウンドには打たれもしたが、第5ラウンドに再び左ストレートをヒットし、挑戦者をキャンバスに沈めた。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 高校5冠のアマチュアチャンプとして、https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20190418-00122579/鳴り物入りでプロに転向。所属するワタナベジムの渡辺均会長も、先輩である現WBAライトフライ級チャンピオンの京口紘人も「必ず、世界のベルトを巻く逸材」と銀次朗のポテンシャルに太鼓判を押すhttps://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20190729-00136036/

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20190802-00136600/

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 本来なら5月か6月に同タイトル2度目の防衛戦が組まれる筈であったが、ご存知のように新型コロナウイルスの影響により、自主トレの日々が続いている。

 「前回は相手も強かったです。倒せたことは良かったのですがパンチをもらってしまいましたから、もっと守備を考えなければなと思っています。自分のボクシングを見直し、ガードを上げ、サイドへの動きを意識しています。今までの試合で使ったことのない、サイドに動きながらのコンビネーションも身に付けたのでレベルアップしている実感があります」

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 「コロナに関しては仕方がないですよね……。結構、長い間リングに上がれていないなという感じがしますし、今後もなかなか試合が決まらないかもしれません。やらせてもらえるなら、WBOアジアパシフィックの防衛戦ではなく、世界タイトルに挑戦したいという気持ちは勿論あります」

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 「それでも、なるべくポジティブに捉えるようにしているんです。自分はこれまで、体幹トレーニングを全くやって来なかったのですが、今、そういうメニューを兄貴と一緒にやっています。ロードワークの距離も、6キロから12キロに増やしました。兄貴と一緒だと、どうしても気を抜けないし、甘えることはないので、いい刺激になっています」

 兄、優大も高校時代に4冠を達成。拓殖大学在学中に全日本選手権で優勝している。昨年10月にプロデビューを飾り、現在2戦2勝(1KO)である。

 「先の事を考え過ぎてもしょうがないので、みっちり体幹、走り込み、筋トレ、シャドウをやっています。今は、来るべき試合に備える時期だと言い聞かせていますよ。兄貴とのミット打ちも毎日のようにやっています。ライバルが身近にいるのはいいですね。コンビネーションについて、意見交換なんかもしますよ」

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 銀次朗がボクシングを始めてから、唯一喫した黒星の相手が兄・優大である。銀次朗が高校1年次のインターハイ予選熊本県大会決勝だった。兄弟対決を避ける為、ゴングと同時にコーナーからタオルが投入された。今でも階級は同じである。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 兄弟にしてライバル。将来を期待される重岡兄弟。是非、生でご覧ください。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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