日本は韓国よりも感染死亡者は少ないが、致死率は韓国よりも高い!
イタリアは最初の感染者が北部のロンバルディア州から出てから18日目には累積で感染者の数は1万人を突破し、死亡者も12日午前9時現在827人に急増した。韓国の新型コロナウイルス感染者は3月11日午前9時現在、累積で7755人だったのが、今朝の発表では114人増え、7869人なり、死亡者も7人増え、67人となった。
(参考資料:「新型コロナ感染者」が韓国、イタリアと違い、日本はなぜ少ない?)
3月11日基準で致死率はイタリアが6.6%と最も高く、中国(3.9%=3169人)、イラン(3.6%=354人)と続いている。3か国とも世界保健機構(WHO)が最近提示した世界平均致死率3.4%を越えている。
世界で中国、イタリアに続いて3番目に多くの感染者を出している韓国の致死率は1%以下の0.8%の水準に留まっている。死亡者数では60人(11日基準)と日本(15)よりも4倍も多いが、致死率では日本(2.4%)よりも低い。韓国は欧州の主要国のドイツ(0.1%)よりは高いが、フランス(1.8%)やスペイン(2.1%)よりも低い。
イタリアの場合、死亡者に限らず感染者も高齢者が多い。今年想定されているイタリアの平均寿命は83.5歳で、日本の84.6歳に次ぐ。まさに、後期高齢者の社会だ。新型コロナウイルスの死亡者の平均年齢は81歳である。
韓国人の寿命も83.0歳と、日本、イタリアに次ぐ長寿社会だ。ちなみに韓国人死亡者60人の内訳をみると、80歳以上が17人、70代が22人、60代が14人、全体の53人が還暦を過ぎていた。
しかし、感染者の年齢層をみると、韓国の場合、若年層が多い。具体的に見ると、20代が全体の28.9%にあたる2238人と、最も多い。続いて、50代が19%の1472人、40代が14. 0%の1082人となっている。高齢者では60代が960人で、70代が483人、80代以上が236人と相対的に少ないことがわかる。
全感染者の63%に上る、集団感染を引き起こしている大邱市の新天地教会信者の多くは20~30代である。このことからも韓国の致死率が低い理由の一つがイタリアや他の国と異なり、比較的に重症化しない若年層が多いことにも理由があるようだ。
もう一つの理由は、PCR検査による発見による早期隔離、治療に努めていることが挙げられている。
感染者数が11日午前0時現在、1784人と、韓国の4分の1程度なのに死亡者は約2分の1の33人を出しているフランスは韓国の致死率の低さに注目し、「フィガロ」や「AFP」など主要メディアが致死率の低さは韓国の迅速なPCR検査による感染者の早期発見、治療にあるとソウル発の記事で伝えている。
韓国は3月11日9時基準で22万2395人に対してPCR検査を行っている。結果、感染者が7755人、隔離解除(全快・退院者)者が288人、現在も隔離中が7407人となっている。10万人あたりの発症率は14.96人である。
日本は厚生省の発表では、1月15日から3月7日まで全国都道府県で1万8335件のPCR検査が行われ、その結果が620人の感染者と15人の死亡者である。PCRの検査数からすると、感染者も、死亡者も韓国よりも多く、高いことがわかる。
日本ではイタリアの致死率が高い理由の一つに医療人力や病床不足を上げているが、イタリアも韓国も医師は1000人あたりそれぞれ3.9%と2.3%、看護師は6.7%と6.9%とほとんど変わらない。医者の数はむしろ、韓国の方が少ない。しかし、韓国の致死率はイタリアの10分の1程度である。キスやハグはしないが、韓国もイタリアと同じ握手する文化だ。
PCR検査を早期に実施し、感染者を早期発見し、早期隔離、早期治療することを韓国が徹底していることの差なのか、今一つ、わからない。