全国旅行支援は本当におトク? 狙い目は「日曜」と「祝日」か
10月11日、政府の観光支援策「全国旅行支援」が始まりました。予約サイトにつながりにくくなるなど混乱が生じている一方で、おトクに予約できたとの声もあり、盛り上がりを見せています。
予約開始で混乱も
全国旅行支援では、10月11日の宿泊分から割引を受けられます。大手の予約サイトでは11日から予約が始まったものの、開始前の予約の扱いなどを巡って混乱が生じています。
たとえば楽天トラベルでは、既存の予約も割引の対象になると案内していたものの、「対象は10月14日以降の宿泊」としたことで不満の声が上がり、12日と13日も対象になりました。
開始当日である10月11日の予約については、割引対象とは書かれていないものの、楽天トラベル広報は「カスタマーサービスで個別に対応している」と説明しています。
予約開始後、各サイトでは負荷対策とみられる制限がかかることもありましたが、クーポン争奪戦のような状況にはなっておらず、つながれば普通に予約できるようです。
ただ、都道府県ごとの割り当て予算には上限があり、早期に終了する場合があると説明されていることから、できるなら早めに予約したほうがよいでしょう。
割引に便乗して価格を値上げしているのではないか、といった指摘もあります。旅行需要が回復していることから、本来の価格に戻るのは仕方ないとしても、相場を大きく外れていないか注意することをおすすめします。
同じく10月11日には、訪日外国人の人数制限を撤廃したことが世界的に話題になっていることから、宿の争奪戦は激化しそうです。
狙い目は日曜と祝日? 休日の定義に注目
全国旅行支援の予約自体は難しいものではありません。予約手順はサイトによって異なりますが、条件に当てはまるプランなら、自動的に割引が適用されることが多い印象です。
その上で、細かい仕様を把握しておけば割引を最大化できる可能性があります。
たとえば宿泊を予約する場合、割引率は税込総額の40%、1人1泊につき上限5000円までとなっています。このことから、税込1万2500円のプランを利用すれば割引額が最大になる計算です。
QUOカードのように金券類が付いたプランは対象外ですが、食事付きのプランは対象です。宿泊施設での朝食や夕食に魅力を感じるなら、食事付きにしたほうがおトクになる場合があります。
宿泊代金の割引とは別にもらえる地域クーポンは、平日は3000円分、休日は1000円分と差があります。これは旅行需要を平日と休日で平準化する効果が期待されているようです。
旅行の日程を自由に決めるのは難しいところではありますが、筆者が狙い目だと感じるのは日曜と祝日です。というのも、全国旅行支援における休日の定義は、「宿泊日とその翌日が休日の場合」となっているためです。
たとえば土曜日の宿泊は、翌日の日曜日が休日なので休日扱いです。しかし日曜日の宿泊は、翌日の月曜日が平日の場合は平日扱いとなります。
実際には、全国旅行支援の実施が予定されている12月下旬まで、すべての月曜日は平日なので、日曜日の宿泊は平日扱いと考えてよいでしょう。
祝日も注目です。11月3日の文化の日、11月23日の勤労感謝の日は、いずれも翌日が平日であることから、平日扱いになります。
割引「併用」で最大化を狙う
全国旅行支援の割引は、他のクーポンと併用できる場合があります。たとえば楽天トラベルでは、「アプリ予約」で5%還元、3万5000円以上の予約では追加の還元などを実施しています。
また、これまでの「県民割」は10月10日に終わるため、併用はできません。しかし札幌市の「サッポロ割」のように、県民割ではない割引なら、併用できる場合があるようです。
実際に複数の割引を適用できるかどうかは予約サイトによって異なり、楽天トラベルではうまく適用できないものの、じゃらんでは両方を適用できました。
(なお楽天トラベル広報によると、楽天トラベルで全国旅行支援とサッポロ割を併用できないのは仕様であり、不具合ではないとのことです)
このホテルの例では、2万320円の宿泊料金が全国旅行支援で5000円引き、サッポロ割で3000円引きとなり、支払金額は1万2320円となっています。
さらに全国旅行支援の地域クーポンが3000円分、サッポロ割のクーポンが2000円分もらえることから、実質7320円となり、元の値段と比べて6割以上安くなる計算になります。
東京都の全国旅行支援は10月20日に始まりますが、都民向けの「もっとTokyo」と併用できると発表されており、都民なら注目といえそうです。