「超激戦ブロック」を勝ち抜けるか大阪桐蔭 4強最右翼は? 投手優位確実のセンバツを展望する!
開幕目前の第96回センバツは、5年ぶりに大会前甲子園練習が復活し、選手たちは憧れの甲子園で汗を流した。組み合わせ抽選の結果、強豪集中ブロックがあり、優勝争いは予断を許さない。16カードを4つに分けて、展望してみたい。(文中の学年は4月からの新学年)
Aブロック 神宮王者の星稜中心も、力のあるチーム多数
八戸学院光星(青森)-関東一(東京)
田辺(和歌山)-星稜(石川)
近江(滋賀)-熊本国府
豊川(愛知)-阿南光(徳島)
神宮王者の星稜が実力ではトップだが、力のあるライバルも多く、勝ち抜くのは容易ではない。開幕戦の光星と関東一は好カード。洗平比呂(3年)ら好左腕3人を擁する光星投手陣と、主砲・高橋徹平(3年=主将)ら強打が看板の関東一打線が激突する。初陣の熊本国府は投打のバランスがいい。常連の近江を倒して勢いに乗りたい。今大会屈指の強打者、豊川のモイセエフ・ニキータ(3年)と阿南光の好投手・吉岡暖(3年)の力勝負も見ものだ。
Bブロック 健大高崎の2年生左右両輪に注目
敦賀気比(福井)-明豊(大分)
学法石川(福島)-健大高崎(群馬)
創志学園(岡山)-別海(北海道)
山梨学院-京都外大西
甲子園優勝経験校と準優勝経験校の対戦が2カードあるが、最注目は、甲子園デビューする健大高崎の左腕・佐藤龍月と右腕・石垣元気の2年生逸材コンビ。両者とも球威十分だが、秋は制球に課題を残した。本番では大きく成長した姿を見せてくれるだろう。気比の左腕・竹下海斗(3年)は投打でチームを牽引する。東海大相模(神奈川)で甲子園4回優勝の門馬敬治監督(54)率いる創志学園は、攻守にスキのない好チーム。連覇を狙う山梨学院は、粘りの本領を発揮できるか。
Cブロック 経験値でリードする広陵は初戦がカギ
耐久(和歌山)-中央学院(千葉)
宇治山田商(三重)-東海大福岡
広陵(広島)-高知
京都国際-青森山田
昨年は春夏とも優勝校に惜敗し、雪辱を期す広陵が経験値でリードする。エース・高尾響(3年)と只石貫太(3年=主将)のバッテリーはその悔しさをぶつけてくるはずだ。3年連続出場の高知との初戦がカギで、総合力ではこのブロックでワンツーの対戦。耐久は170年を超える歴史があり、待ちに待った甲子園でどんな初陣となるか。宇治山田商と東海大福岡は、ともに終盤の粘りが身上。京都国際と青森山田は投手力が際立ち、僅差の好勝負が期待できる。
Dブロック 難敵に過密日程で前途多難の大阪桐蔭
神村学園(鹿児島)-作新学院(栃木)
大阪桐蔭-北海(北海道)
愛工大名電(愛知)-報徳学園(兵庫)
日本航空石川-常総学院(茨城)
甲子園優勝経験5校に加え、航空石川を除く7校が甲子園のファイナルを経験している「超激戦」。またこのブロックは終盤になると日程が詰まってくるので、試練は最後まで続く。大阪桐蔭はエース・平嶋桂知(3年=タイトル写真)ら豪華投手陣を誇り、層の厚さで群を抜く。作新の小川哲平(3年)は恵まれた体から力強い球を投げ、昨夏4強経験者が並ぶ神村の強打に対抗する。報徳は昨春準優勝の原動力となった右腕二枚が健在で、失点が計算できる。航空石川は投打のバランスがよく、スタンドの後押しも味方につけるはずだ。
「新バット」「二段モーション解禁」で投手優位に
2日間にわたって行われた甲子園練習では、ほぼ全チームを見た。印象としてはまず、「新基準低反発バット」はやはり打球が飛ばないということで、32校でサク越えをした選手はいなかったように思う。さらに投手の「二段モーション」が解禁されたことによって、打者はタイミングが取りづらくなるだろう。つまり投手優位の大会になることは確実と言えそうだ。センバツ100年、甲子園100年の節目にふさわしい、好試合の連続に期待したい。