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ソフトバンク2軍がウエスタン優勝!雨天中止決定の珍事のワケとは?

田尻耕太郎スポーツライター
ソフトバンク2軍の首脳陣。右から小川2軍監督、新井コーチ、松山コーチ、大道コーチ

ソフトバンクは練習日。阪神戦が中止で決定

 ソフトバンクの2軍が20日、ウエスタン・リーグの優勝を決めた。3年ぶり12度目(前身時代を含む)だ。

 優勝マジック1としていたソフトバンク。この日は試合予定がなく練習日だった。同日、マジック対象チームの3位阪神は由宇球場で広島戦を行う予定だったが、午前中から雨模様。試合開始を30分遅らせる措置もとっていたが、結局プレーボールの声がかかることはなく雨天中止が決まった。

 この瞬間にソフトバンクの優勝が決定した。

 1軍ではありえない決定方法だ。1軍の場合は試合中止ならば、後日に延期される。しかし、2軍は2015年シーズンから中止の振り替え試合は行われなくなった。つまり残り試合が減るため、マジック計算上は「引き分け」と同様に扱いとなるというわけだ。

8月の快進撃

コラス(左)と田城。今季大きく成長した2人
コラス(左)と田城。今季大きく成長した2人

 今季は前半戦がなかなか振るわずに下位に低迷した時期もあった。しかし、夏場以降に徐々に勝ち星のペースを上げ、特に8月は快進撃だった。同2日の阪神戦(鳴尾浜)に勝って首位に浮上すると、14日の中日戦(タマスタ筑後)まで負け知らずの9連勝をマーク。22日からも4連勝を飾るなど、月間15勝5敗で突っ走った。

 今季は1軍の戦力供給源としても大いに機能した。前半戦は柳田悠岐や中村晃ら主力級の野手に故障者が相次いだが、若鷹たちがその穴を埋めた。4月楽天戦での延長決勝打や「鷹の祭典in東京ドーム」でのサヨナラ打など勝負強さが光った栗原陵矢捕手。今季86試合に出場してうち43試合がスタメン、6月4日の中日戦(ヤフオクドーム)では先頭打者弾を含む1試合2本塁打など今季飛躍を遂げた釜元豪外野手。そしてデビュー初打席で初本塁打を放ったコラス外野手らはその筆頭格だ。また、育成枠の背番号135ながら現在もリーグ首位打者争いをしている田城飛翔外野手の成長も頼もしかった。

ファーム日本一決定戦は10月5日

4月の頃はファームで投げていた高橋純平
4月の頃はファームで投げていた高橋純平

 投手陣でも高橋純平投手が1軍中継ぎの欠かせぬ存在となった。椎野新投手や泉圭輔投手、川原弘之投手も1軍で存在感を発揮した。

 彼らはファーム降格となった時期もあったが、1軍を経験して以降は“格の違い”を感じさせるプレーをタマスタ筑後で見せた。確かな自信と手応えを試合の中で発揮していた。

 ソフトバンクはウエスタン・リーグ優勝チームとして、10月5日(土)にKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎で行われる「ファーム日本選手権」に出場し、イースタン・リーグ優勝チームと4年ぶりとなるファーム日本一をかけた戦いに臨む。

(※写真は筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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