18戦全勝12KOの世界2位がついに掴んだタイトル挑戦
6月15日にラスベガス、MGMグランドガーデン・アリーナでWBAライト級チャンピオン、ジャーボンテイ・“タンク”・デービスに挑む、同2位のフランク・マーティンが練習を公開した。
18戦全勝12KOのマーティンにとって、初の世界タイトルマッチとなる。ミシガン州デトロイト生まれの29歳は、ようやく掴んだチャンスに目を輝かせている。
昨年8月、マーティンは空位となっていたWBC同級王座決定戦に出場し、1位のシャクール・スティーブンソンと対戦する予定だった。この時点で彼は同2位だったので、当然の権利を持っていた。
マーティンは、2023年7月15日に催された挑戦者決定戦で勝利したばかりだった。前WBA/WBC/IBFウエルターチャンピオンのエロール・スペンス・ジュニアと共にデリック・ジェームズの指導を受け、合同キャンプを張って調整し、挑戦権を得たところだったのだ。
だが、スティーブンソン側は当時6位だったエドウィン・デ・ロス・サントスとの交渉を優先。WBCもこれを認めたことから、御存知のようにスティーブンソンがベルトを巻く。7月15日の全勝対決で、苦しみながらも勝利を収めたマーティンは、蚊帳の外に置かれた。
政治力に翻弄されながらも、地道に汗を流し続けたマーティンは、ようやく訪れた世界戦に向けて余念がない。パウンド4パウンド・ジムで一通り汗を流した世界2位は、言った。
「私がこれまでに努力してきたことが報われる瞬間が来ると感じています。試合に至るまでに費やしたすべて、そして何年にもわたって私が流した汗を考えると、これはまさに人生を変える時です。ようやく、私が頂点に立つ日がやってきました。
ただ落ち着いて、ありのままの自分でいることが肝心だと考えています。罠や、おかしな策や、大衆が述べる雑音等、何があっても、私の進むべき道を邪魔することは出来ません。
素晴らしいファイトになりそうな予感がします。タンクがどんな戦いをするかは誰もが知っていますが、多くの人は私が何をもたらすかを知りません。私が持っている武器のすべてを理解してはいませんね。
私たちのチームは、タンクの爆発的なスピードを把握しています。彼は最高級の選手ですが、試合の夜、私も同レベルであることが分かるでしょう。当日、優れた者が勝利しますよ。
たとえ世界中が不利だと言っても、己を信じています。自分が費やした仕事に誇りを持っているのです。私は世界王座に就くために生まれてきたということを、全身で感じています。
タンクが全力を尽くして、前に出てくることを期待します。彼は彼らしく戦うでしょう。私が勝ちにくることを踏まえ、エネルギーを満タンにしてリングに上がる筈ですよ」
見逃せないサウスポー同士の戦い。デービスにとって、最強の挑戦者になるかもしれない。