HSPと適応障害の「関係性」チェックリストに何個当てはまる?
こんにちは、精神科医のしょうです。
本日のテーマは「HSP気質と適応障害」です。
環境の変化に対して敏感に反応してしまうHSPさんは、生きづらさや心に不安を抱え込んでいる人が多いです。
頼まれ事を断るのが苦手、つい相手に意見を合わせてしまう、自分に課すハードルが高く出来ないと落ち込んでしまう……など、HSPさんは毎日色んな場面で苦労しています。
特に社会生活の場面で、仕事の環境や人間関係に馴染めずにストレスを抱えている人も多いはず。
大きなストレスを受けたまま仕事を続けていると、ある日突然糸が切れたように「会社に行きたくない……」と塞ぎ込んでしまう可能性があります。
今回はHSPと適応障害の関係性、休養の仕方や復職について紹介していきます。
適応障害とは?
社会生活における環境の変化(転勤、転職など)や、家庭や恋愛などの人間関係についての外因的ストレスが原因で起こる可能性がある障害です。
人間関係や職場の環境は自分だけで改善することが難しく、上司や同僚とうまくコミュニケーションが取れず業務がスムーズに行かなくなるなど、結果的に職場に居づらくなって辞めてしまうケースがあります。
無理をして仕事を続けたとしても、職場に行くこと自体が億劫になり欠勤や休職するようになります。
職場からの連絡に反応することも難しくなったりするので、コミュニケーションを取ることすら出来なくなります。
このように仕事や人とのコミュニケーションなどの問題が生じて社会生活に馴染めず、環境に適応出来ない状態を適応障害といいます。
HSPと適応障害の関係性は?
HSPさんは音や光などの環境のほか、相手の感情や気配にとても敏感です。
仕事や遊びから帰ってきた後は家の用事が何も出来ずにぐったり……ということもしばしば。
社会生活では特に上司や同僚など色んな人と関わらなければいけないので、精神的にも疲れてしまいます。
職場では電話の音や誰かの話し声、エアコンの風やドアの開閉音、キーボードの音、他人の匂いなどHSPさんが反応してしまうものが沢山あります。
自分が怒られていなくても、上司が誰かを叱っている時の声にびくびくしてしまうことも。
こうした環境でストレスを抱えたまま仕事をしていると、心身ともに疲れ切ってしまい、やがて「職場に行きたくないな」という考えになってしまうのです。
転職先でも同じようなことでストレスを感じて退職を繰り返すようになると、気付いた時には適応障害になっていたというケースも少なくありません。
適応障害セルフ診断チェックリスト
適応障害の症状として以下のようなものがあります。
自分に当てはまるものがあるかどうか、チェックしてみましょう。
【身体に現れる症状】
- よく眠れない、不眠
- 食欲不振または暴飲暴食気味
- ドキドキする、胸が苦しい
- 疲れやすい
【心に現れる症状】
- 落ち込みやすくなった
- 常に不安を感じる
- イライラや焦燥感がある
- 判断力が前よりも低下している
- 感情のコントロールが出来ない
精神的なものから身体的なものまでさまざまです。
しかし、「症状が当てはまったから適応障害だ」とは一概には言えません。
他の精神疾患と区別がつかないこともあるので、心配な方は精神科、心療内科で相談することをおすすめします。
適応障害になった場合の休養の仕方や復職は?
心身の休養をしっかり取る
まずは傷付いて疲弊した心身をしっかり休ませることが大切です。
ストレスの要因となっている人間関係や環境からなるべく離れて、自宅で過ごすようにしてください。
長期間の休養を取る必要があるので、上司や周りの人に事前に相談しておきましょう。
症状が軽減したからといって、すぐに同じ環境に戻ろうとするのは危険です。
根本的な問題が解決していないと再発する可能性や精神状態が悪化する可能性があります。
復職するタイミングは必ず医師に相談するようにしましょう。
「何もしない」ことを意識する
休養期間はどうしても仕事のことを考えてしまうと思いますが、ストレス源となっているものからは離れて全てシャットダウンするようにしましょう。
他の人は働いているのに自分はダメな人間だと思わないようにしてください。
心身ともに疲弊しきっている状態を回復させるための必要な期間なので、「何もしない」ことを徹底しましょう。
日用品の買い物なども億劫であれば、ネットスーパーや宅配を活用すると良いですよ。
十分に体力が回復して自然と動きたいという欲求が出てきたら、自分の興味のある物事を中心に少しずつ活動量を増やしていくのがベストです。
休養中は規則正しい生活をする
過度なストレスを抱えていると家事など何も手につかずに家の中が散らかってしまったり、洗濯物で溢れ返ってしまったり、食事や睡眠も時間が不規則でバラバラ……というように乱れてしまいがちです。
回復のためには生活を整えて、ゆっくり休息が取れる空間がなによりも必要です。
家事や掃除がなかなか手に付かない、という人でもまずは起床や就寝の時間を決めてその通りに寝起きするなど出来ることから実行してみてください。
寝起きする時間が定着してきたら、食事の時間も徐々に規則正しくしていきましょう。
復職へ向けて徐々に行動する
「規則正しい生活リズムで過ごせるようになった」「質の良い睡眠が取れている」「体力が十分に戻っている」と感じ、主治医が復職可能と判断した場合は、復職に向けて動き始める良いタイミングです。
いきなり元の勤務に戻らずに上司によく相談しましょう。
時短勤務や業務量の調整、部署異動、定期的な面談を設けてもらうなど、自分が無理せず働きやすいと思う環境にしてもらえるかどうか話し合うことが大切です。
復職が近づくにつれ不安が大きくなってくると思いますが、「以前のように出来なくて当たり前」と割り切って自分に対するハードルを下げ、出来る範囲の仕事をするようにしましょう。
また、ストレスを感じてしまう事柄に遭遇したときはどう対処するのか、自分なりのストレス発散法や気持ちの切り替え方などきちんと対策してから復職することが重要です。
まとめ
HSPさんは責任感が強く真面目な性格なので、一人で抱え込んでしまう面があります。
環境に馴染めない、職場に行くのが怖いと感じたら無理をしないでください。
適応障害の原因は主に「ストレス」なので、職場に何らかの強いストレスがある場合は、一度立ち止まって考えてみましょう。
人によって症状がさまざまなので、自分で判断せずに誰かに相談してくださいね。
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