親子揃って今季初の4連勝!小虎は半月ぶりの貯金1《4/30 阪神ファーム》
きょうから5月です。きのう30日は、ようやく鳴尾浜も日陰で肌寒さを感じることなく過ごせました。曇っていたり、晴れても風が冷たかったりしたんですが、きのう4月30日は暑すぎず、寒くもなくて快適。すぐに暑くて辛い日々がやってきますから今はこれを満喫…というところで遠征が続くんですよねえ。きょうから由宇で広島3連戦、そのあと雁の巣と熊本・八代でソフトバンク3連戦。帰ってきて8日からは神戸サブと東大阪でのオリックス3連戦。次の鳴尾浜は12日からのソフトバンク戦になります。そのころにはもう暑すぎたりして。
さて、1軍もファームも仲良く今季初の4連勝で4月を締めくくった阪神タイガース。半月ぶりに貯金1としたファームは試合後に移動して、きょうは広島と対戦しました。ルーキーの守屋投手が公式戦初先発で、きのう出かける前に「公式戦初と思うとダメなんですよ」と笑いながら、安芸キャンプ中の練習試合・ハンファ戦以来の先発に「中継ぎでずっとやっていて久しぶりなので、気持ちが多少変わると思います。入りとか全然違うので」と言います。楽しみ?と尋ねたら「楽しみもあるけど、不安も」とのこと。とにかく1イニングずつですか?「いえ、1人ずつですね」
そう話していた守屋投手は4回1/3で89球投げ、4安打1失点(自責0)で負け投手になっています。そう、1対0での敗戦…。原口選手は3安打したのに、中村恭投手らに完封リレーを許して連勝がストップしました。連打でチャンスを作りながら要所を締められた、という感じすかね。土日はおなじみ横山投手、秋山投手の“やまやまコンビ”が先発と思われます。好ゲームを期待しましょう。
では、きのう30日のウエスタン・オリックス戦の結果とコメントです。阪神がサンティアゴ投手、オリックスは18歳のルーキー・佐野投手(大分高)の先発でした。前半にサクッと得点した阪神が、最終回にエラーから1点を失ったものの逃げ切って、このカード3連勝。通算4連勝です。
《ウエスタン公式戦》4月30日
阪神-オリックス 8回戦 (鳴尾浜)
オリ 000 000 001 = 1
阪神 011 000 00X = 2
◆バッテリー
【阪神】○サンティアゴ(1勝1敗)-藤原-山本-玉置-S小嶋(4S) / 小豆畑
【オリ】●佐野(1敗)(3回)-中山(3回)-大山(2/3回)-榊原(1/3回)-小松(1回) / 若月-伏見(8回裏)
◆本塁打 原口3号ソロ(佐野)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]遊:北條 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 1) .260
2]二:西田 (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .307
3]中:江越 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .316
〃左:一二三 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .114
4]一:中谷 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .333
5]指:原口 (3-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .211
6]三:黒瀬 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .152
7]右中:横田 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .140
8]捕:小豆畑 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .138
9]左右:緒方 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .190
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
サンテ 6回 73球 (2-7-0 / 0-0 / 1.42) 145
藤原 1回 11球 (0-0-1 / 0-0 / 1.00) 135
山本 1回 10球 (1-1-0 / 0-0 / 3.00) 133
玉置 2/3回 16球 (2-0-1 / 1-0 / 1.69) 138
小嶋 1/3回 2球 (0-0-0 / 0-0 / 0.00) ―
経過 ともに5安打ずつの打線
まず攻撃。1回は18歳ルーキー・佐野に三者凡退を喫しますが、2回1死から原口がセンターバックスクリーンへ放り込む3号ソロで先制!3回は緒方の右前打と北條の左前打で1死一、三塁として、2番の西田がフルカウントからの8球目を左前へ運ぶ“渋い”タイムリー!3連打で1点を追加しました。さらに江越は四球で1死満塁とチャンスは続いたものの、中谷が三振、原口は二ゴロで攻撃終了。以降のヒットは6回に原口が放った左前打のみ。走者も7回に小豆畑が四球を選び、緒方の犠飛で二塁へ進んだだけ。三塁を踏むことなく終わっています。
次に投手陣。サンティアゴは4月22日の中日戦(甲子園)がリリーフ登板で、先発は4月16日のオリックス戦(神戸第二)以来でした。1回は三者凡退、2回も4番のブランコと奥浪を連続三振に仕留めたあと伏見に左前打されますが、岩崎を二ゴロに打ち取って無失点。3回と4回は三者凡退。5回は2死から岩崎のサード内野安打(セーフティーバント)を許すも、若月は二ゴロ。そして6回も三者凡退。6回で73球を投げ2安打無失点。こちらは二塁すら踏ませぬ好投です。
7回の藤原は2死から惜しくも四球を与えますが無失点。8回は山本が、2死を取ったあとで代打・宮崎に中前打を浴びながらも0点に抑え、8回まで二塁を踏ませていません。9回は玉置が登板して先頭に四球、鉄平を二ゴロ併殺打で2死としますが、代打・中村の遊ゴロを北條が捕球エラー…。奥浪の左前打で2死一、二塁とし、伏見の左前タイムリーで1点返されました。ここで玉置が降板。代わった小嶋は2死一、三塁で代打・縞田を左飛に打ち取り、同点もしくは逆転のピンチを切り抜けて試合終了。
マリオは器用で真摯なカリビアン
まずマリオ・サンティアゴ投手の話をご紹介します。姿を見せた時に声をかけようとしたら「I’ll be back」と、シュワルツェネッガーばりの台詞を残してウエートルームへ。とある記者によれば「よくあの言葉を使いますよ。何度か聞きました」とのこと。でもターミネーターのように待たせることなく、やがて永田通訳とともに戻ってきて囲み取材に応じてくれました。途中で撮影させてもらうことを告げ、質問の間が空いた時に笑いかけると写真のようにニッコリと笑顔も。ありがとうございます!
来日してから最長の6回を投げ2安打無失点。しかも無四球で、7三振を奪いながら球数は73と少なめ。ナイスピッチング!という語りかけにも「継続してやってきたことを、これからもやるだけです」と、いつも通り真摯なコメントでした。投げるごとに上がってきていますね。「一生懸命やっていくことがいい方に向かっていると思う。いつもフォームを気にしながらやっていて、コーチの方々がしっかり観察してくださるので。フォームが安定したのことが大きい」
この日奪った7三振はすべて変化球、それも見事な空振りばかりでした。「変化球で横降りにならず、しっかり縦に体を使えています」。中でもカーブが絶好調だったのでは?「これまではヒジが下がって横回転になるカーブがほとんどでしたが、きょうは上からしっかり叩けた。よかったです」。セールスポイントと上げていた通り“12時から6時の方向に変化する”素晴らしいカーブですね。スタンドからも「おお~」と声が上がったほど。
久保投手コーチは「だんだんやりたいことができるようになってきたね。力の入れどころ、タイミング、変化球のキレ、よくなってきましたよ」と話しています。
またサンティアゴ投手の球を受けた小豆畑選手も開口一番「ナイスピッチングですねえ!」と笑顔がこぼれました。「きょうはカーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシームと、投げた変化球みんなよかった。器用なピッチャーです。だから何かが悪くても他でカバーできる。フォーシームが決まってくると、もっと楽になると思いますよ」。なるほど、器用なんですね。今回のピッチングを見て、次の登板がまた楽しみになってきました。
6試合で8割6分の長打率!原口
続いて、先制の今季3号を放った原口選手。ここ6試合はすべて先発出場で、すべてヒットを打っています。その内訳は以下の通り。数字は打数-安打-打点で、右端は打率です。
23日 中日 4-1-3 (1号3ラン) .050
25日 巨人 4-1-2 (2号ソロ) .083
26日 巨人 4-1-1 (適時二塁打) .107
28日 オリ 4-1-0 .125
29日 オリ 3-2-0 (二塁打) .171
30日 オリ 3-2-1 (3号ソロ) .211
6試合で打った8安打のうち3本がホームラン、2本が二塁打。というわけで、この6試合に限ってではありますが、長打率は.864と驚異的な数字です。この間に稼いだ打点も8点!中谷選手と並んで一気にチームトップ、リーグ6位タイの9打点となりました。打率はご覧のように4倍までアップしています。古屋監督も「今いいですねえ、原口は。ポイントゲッターですよ。20打席ノーヒットがウソみたいで」と絶賛。
この日に打ったホームランは、原口選手にとってプロ初のセンターへの1発で「ゴンッ!」とバックスクリーンにぶつかりましたが「音は聞こえなかったですねえ」とのこと。打ったのは148キロと表示されていたのは間違いだったものの、真っすぐだと言います。「いいスピンがきいたので伸びましたね。思ったより飛んだ」。好調の要因を聞かれて「ボールがしっかり見えていること、自分の“間”で、打てるボールと打たないボールをしっかり判断できているのがいいのかなと思います」と答えました。
3ケタと決別する日まで続く努力
最初はなかなかヒットが出ず、右肩を痛め戦列を離れていた影響もあるのでは?と聞かれると「それは言い訳にしたくないので。関係ありません。試合には少しずつ出ていたわけですし。打てなかったのは技術が足りなかったんだと思います」と完全否定。ここ最近で変わったことは「バットの軌道」だそうです。「打てない時は、どうしても前でさばきたくて上体が突っ込み、スイングする軌道が前だけになっていました。今はしっかり引きつけてスイングできていると思います」
全体練習のあとも室内で黙々と打ち込む姿は周知ですが「八木さん、濱中さん、掛布さん、みんなに声をかけてもらったおかげです。でも打ち続けることが大事ですね。続けないとアピールできないので、続けていけるように頑張るだけ」と、この“努力の人”はさらなる努力を誓います。そういえば28日の試合後、その時点で4試合連続ヒットだったにもかかわらず「1本ずつしか打てていなから」と不満げでしたっけ。
支配下選手に戻る道程の、どのあたりまで来たでしょう。ここ最近でだいぶ進んだかも?と言ったら「いや~まだまだダメです。打率が1割や2割じゃ…。あ、2割いきましたか?」と原口選手。乗りましたよ、2割に。「2割でもまだダメ。でも頑張ります!」。野球の神様はちゃんとご覧になっているはず。立ち止まらずに打ち続けてください。
ちょっとドヤ顔&悔恨の二遊間
西田選手の3回のタイムリーは、フルカウントになってからの8球目を打ったもの。それまでに見逃したストライクもあり「あれは僕にはヒットにできない、外の球やった」そうです。でもあの1点がなければ引き分けだったかもしれません。緒方選手、北條選手とともにグッジョブでしたね。そうそう、9回の鉄平選手の二ゴロ併殺打もグッジョブ!4-6-3でアウトにした時、ドヤ顔だった?と聞かれて「はい!ちょっとドヤ顔です」とニコニコ。捕った時にもう併殺は確信した?「いえ、投げる前はまだ。送球して、ヨシ!いけると思いました」。打率も3割をキープ中で、中谷選手に次ぐリーグ2位。このまま乗っていきましょう。
西田選手とともに併殺を完成させた直後、失点につながるエラーを犯してしまったショートの北條選手。「打球が不規則に変化してた。スピンがかかって…」と言います。その時に「お客さんがワ―ってなった」と。さすがに聞こえていましたか。まあ、あと1人のところだったもんで。なんとか1点差で逃げ切れてよかったですねえ。