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週明けは全国6割の地域で熱中症警戒アラート発表 熱中症特別警戒アラート並みの警戒を #専門家のまとめ

饒村曜気象予報士
熱中症警戒アラートの発表回数(2022年・2023年と2024年の比較)

 今年から熱中症特別警戒アラートの運用が始まり、発表時には徹底的な熱中症対策をとることが必要となります。発表基準は、これまでに経験したことがない暑さで、記録的な猛暑となった昨年も発表基準に達していません。地球温暖化等で予想される今後の暑さに対する備えです。

 今年は、記録的な高温となった昨年を上回るペースで熱中症警戒アラートが発表されており、週明けの暑さは、熱中症特別警戒特別アラートの時のような対応が求められています。

ココがポイント

▼今年から広域的に過去に例のない健康に重大な被害が生じるおそれの暑さの時に「熱中症特別警戒アラート」が発表になります。

熱中症は予防が大事!熱中症特別警戒アラートが始まります(政府広報オンライン)

▼熱中症警戒特別アラートは都道府県単位で、前日の14時に都道府県内全ての暑さ指数が35以上と予測される場合に発表されます。

「熱中症特別警戒アラート」等の運用を開始します(環境省ホームページ)

▼運用中の熱中症警戒アラート(58地域を対象に地域内のどこかで暑さ指数33以上)と違い、過去に例がない暑さが対象です。

今年から運用スタート 熱中症「特別」警戒アラートと熱中症警戒アラートの違いは?(tenki.jp)

▼7月29日は猛暑日が続出する見込みで、所によっては40度超の可能性がある命に係わる暑さで、できる限りの熱中症対策が必要。

・【29日(月)の天気】関東~西日本は危険な暑さ 一部で40度超の可能性も 北日本は大雨警戒(ウェザーマップ)

エキスパートの補足・見解

 7月29日は関東から西日本は勢力の強い高気圧に覆われて晴れる予想です。ここ数日のような局地的な雷雨もなく、強い日射が続いて全国の最高気温が35度以上の猛暑日の観測地点数は今年最多となる見込みです。また、所によって40度を超えるという暑さが予想されており、熱中症警戒アラートが37地域(全国の約64パーセント)で発表されています。

 熱中症特別警戒アラートは、過去に経験したことがない暑さに備えてのもので、29日の暑さでは発表されないほど発表基準が高いものです。ただ、発表に至らないとはいえ、熱中症になりやすい危険な暑さにはかわりがありません。熱中症特別警戒アラートで求められる徹底的な熱中症対策に準じた対策が必要です。

タイトル画像の出典:環境省ホームページをもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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