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冨安健洋所属のボローニャがスパイ探し、激怒のミハイロビッチ 「見つけたら…」

中村大晃カルチョ・ライター
9月21日、セリエAミラン戦でのミハイロビッチ監督(写真:Maurizio Borsari/アフロ)

冨安健洋が所属するボローニャが、インテル戦で3バックにシステムを変更するかもしれない――試合まで2日となった12月4日、イタリア各メディアはこう報じた。前日の練習でシニシャ・ミハイロビッチ監督が試したからだ。

ボローニャの基本布陣が4-2-3-1なのは周知の事実だ。今季も常にこのシステムを貫いてきた。それがシステムを変えるとあれば、ニュースとなる。対戦相手のインテルが3バックだけに、相手に合わせるのではないかとも話題になった。

報道では、ガリー・メデルを最終ラインで中央のダニーロ、左センターバックの冨安と組ませるフォーメーションが予想された。普段は両サイドバックのロレンツォ・デ・シルヴェストリとアーロン・ヒッキーが、両サイドでひとつ前に位置し、ロベルト・ソリアーノをトップ下に配置。ロドリゴ・パラシオとムサ・バロウを2トップとする3-4-1-2のシステムだ。

しかし、4日の会見で、ミハイロビッチは「新しいシステムを試したのは、記者と話しているヤツが誰かを知るためだけだった」と、情報を漏洩するスパイをあぶりだす作戦だったと話した。

「わざとやった。誰にも予想外のことだったからね。今、調べているところだ。誓って言うが、記者と話している者を見つけたら、壁に押し付けてやる。プレーを終わらせてやる」

指揮官は「システムは変えない」と明かし、「誰もいなかった。我々しかいなかった。それが今日、新聞にすべて出たんだ。つまり我々の中で話している者がいるということだ。必ず見つけ出す。見つけたら、知らないぞ。私は本当に激怒している」と続けた。

「我々の試合では毎回新聞にスタメンが出ていた。他チームは誰が出るか分からないのに、我々は常にすべて知られている。いつも誰かが話しているということだ。もしも選手の誰かが採点を0.5点上げてもらおうと話しているなら、私は何をするか分からんぞ。誰でも、だ。必ず誰か見つける」

『スポーツ・メディアセット』や『calciomercato.com』、『EUROSPORT』などは、予想スタメン記事でフォーメーションは4-2-3-1と報じている。一方、『スカイ・スポーツ』や『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版は、今のところ3バック予想だ。

ミハイロビッチは、変更がないと話した。そして、情報漏洩者が選手なら、厳しい措置を取ると述べた。5日のインテル戦、ボローニャのスタメンリストには大きな注目が集まりそうだ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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