大型台風23号、10月としては異例のコース取りで北海道に接近へ
大型台風23号は8日(木)午後には北海道に接近へ
記録的に大きいサイズ(強風域が大きい)で発生した台風23号は、きょう15時現在、直径1400キロもの広大な強風域を保ちながら南鳥島近海を西進しています。
今後の進路予想をみると、あす6日(火)の午後以降、小笠原の東海上で北寄りに進路を変え、その後まっすぐに北上しながら加速し、8日(木)午後には北海道の東部に接近する予想となっています。
これは台風を押し流す上空の風が今後日本付近で大きく蛇行し、その北寄りの流れに乗って北海道に接近するためですが、西よりのコースを通ると北海道に上陸するおそれもある非常に危険なコース予想となっています。
10月のコースとしては異例中の異例
ところで、台風が日本の東を北上して北海道に接近すること自体珍しいのですが、10月にもなって、日本付近に強い偏西風(上空の西風)が南下してくる季節にこのようなコース取りで北海道に接近した台風は過去にほとんど例がありません。
もし、予想されるようなコースで北海道に接近すると、10月としては異例中の異例のコース取りでの北海道接近となるでしょう。
しかも今回の台風23号は大型で強い勢力での北海道接近となるため、10月という季節感覚を抜きにした十分な防災感覚、意識が必要でしょう。
統計がある1951年以降、10月に日本の東をまっすぐ北上して北海道の東部へ比較的近づいた台風は、以下の2例しか見当たりません。
北海道は暴風や高波、高潮に厳重に警戒を
台風23号は今後勢力を強めて暴風域を持つ台風として北海道へ接近してきます。
上空の寒気の影響を受けて、北海道へ接近するころには温帯低気圧の構造に近づくとみられますが、もし仮に温帯低気圧に変わったとしても中心気圧が950hPa程度での接近が見込まれているため、北海道の東部(特に根室周辺)では、8日後半から9日前半にかけて、顕著な高潮が発生するおそれがあります。
高潮を含めて、高波や暴風には厳重な警戒が必要となるでしょう。
また、強風の範囲が広いため、東北でも暴風が吹くおそれがあります。
関東でも8日は沿岸部を中心に強い北風が吹くでしょう。海上は北日本ではもちろん、関東の沿岸でも警報が出るくらいの大しけとなりそうです。十分な警戒が必要です。