台風23号は“まれにみる発生時からの巨大な台風”
発生時の大きさはまさに記録的
昨日(2日)15時、日本のはるか南東の海上で台風23号が発生しました。
この台風は、何と言っても、発生時からとてつもなく大きな強風域を持っているのが最大の特徴です。
通常、台風が発生する時にはまだ比較的小さな渦巻きで、強風域の直径はせいぜい500キロ程度のことが多いものですが、今回の台風23号はなんと発生時から1500キロもの広大な強風域を持つ巨大な台風として生まれました。
発生時点で、すでに今年発生した台風の中で最も大きくなっています。(速報値)
台風の大きさは風速15メートル以上の強風域で定義され、その直径が1000キロ以上だと大型の台風、1600キロ以上になると超大型の台風となりますので、今回の台風23号は大型どころか、超大型の台風一歩手前の大きさで発生したことになります。
では発生時の台風の大きさとしてはどれ位の順位になるのでしょうか?
気象庁の統計が整っている1977年以降のデータを調べると、最も大きな強風域を持って発生したのは2007年台風14号で、実にその大きさは1700キロにも及び、統計上、唯一、超大型の台風として発生しています。
2番目に大きかったのは2001年台風4号の1500キロで、実はこれが今回の台風23号と同じで、つまり台風23号は発生時の大きさとしては2番目(タイ)に大きな台風だと言うことが出来るのです。
1977年以降の台風発生数は、今回の台風23号で989個目となりますので、このことからも今回の台風がいかに異例の大きさで発生してきたのかが分かると思います。
台風23号はきょう(3日)午前9時現在、発生時と同じ直径1500キロの強風域を持っていますが、もし今後1600キロ以上の超大型の台風となれば、2011年台風6号以来、4年ぶりのこととなります。
ちなみに、1977年以降、超大型の台風は42個発生していますので、発生率は台風24個に1個程度、平均すれば1年に1個程度しか発生しない計算です。
来週後半、どこまで近付くかが大きなポイント
台風23号は今後も発達しながら西寄りに進み、来週の木曜日~金曜日頃(8日~9日頃)に、日本の東海上を北上する可能性が高くなっています。
このタイミングで陸地にどこまで近付くのかが来週後半の天気を左右する最大のポイントとなりますが、予報円の東側を離れて通れば影響は海上に限られるでしょう。
予報円の真ん中を進むと、大きな台風だけにその雨雲や強風域が北日本や東日本の陸地にかかる可能性があります。
さらに西側のコースを通れば通るほど、荒天の度合いが大きくなり、数は少ないものの、大きく蛇行した偏西風に取り込まれるように北日本を直撃するコースを計算している予想もあります。
今回の台風はその影響範囲が非常に大きいことが最大の特徴ですから、少々離れて通過する場合でも、思わぬ大きな影響を被るおそれがあります。
今後更新される最新の情報にくれぐれもご注意下さい。