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「ワールドシリーズ優勝リング」をすでに持っている選手は、レンジャーズに5人、Dバックスは0人

宇根夏樹ベースボール・ライター
コリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)Oct 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のワールドシリーズ優勝は、テキサス・レンジャーズとアリゾナ・ダイヤモンドバックスのどちらかとなる。

 両チームとも、ポストシーズンの3シリーズを、2勝0敗(ワイルドカード・シリーズ)、3勝0敗(ディビジョン・シリーズ)、4勝3敗(リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ)で勝ち上がってきた。3シリーズ目に倒したのが、前年のリーグ優勝チームという点も共通する。

 レンジャーズのワールドシリーズ進出は12年ぶり3度目、ダイヤモンドバックスは22年ぶり2度目だ。レンジャーズは、2010~11年にリーグを制したが、両年ともワールドシリーズ優勝は果たせなかった。ダイヤモンドバックスは、2001年のワールドシリーズで第7戦にサヨナラ勝ちを収めた。

 現在のレンジャーズには、ワールドシリーズ優勝の経験者が5人いる。アロルディス・チャップマン(2016年/シカゴ・カブス)、ネイサン・イオバルディ(2018年/ボストン・レッドソックス)、マックス・シャーザー(2019年/ワシントン・ナショナルズ)、コリー・シーガー(2020年/ロサンゼルス・ドジャース)に、ウィル・スミス(2021年/アトランタ・ブレーブス、2022年/アストロズ)だ。

 直近の5年、2018~22年のワールドシリーズ優勝メンバーが揃っている、ということになる。チャップマンを含め、2016年以降のここ7年中6年の優勝メンバー、と見ることもできる。シーガーは、2020年のワールドシリーズ(とリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ)でMVPに選ばれた。スミスについては、こちらで書いた。

「アストロズは今世紀初のワールドシリーズ連覇を逃したが、この選手は史上初「1人3連覇」の可能性あり」

 なお、ジョシュ・スポーレスは、2020年にドジャースで4試合に登板したが、この年のポストシーズンは、どのシリーズのロースターにも入っていない。

 一方、ダイヤモンドバックスに、ワールドシリーズ優勝を経験している選手はいない。ワールドシリーズに出場したことがあるのも、エバン・ロンゴリアライアン・トンプソンの2人だ。どちらも、タンパベイ・レイズ時代。ロンゴリアは2008年のワールドシリーズでプレーし、トンプソンは2020年のワールドシリーズで投げた。レイズのワールドシリーズ優勝は、まだ一度もない。ちなみに、ダイヤモンドバックスとレイズは、1998年に創設された。当初は、レイズではなくデビルレイズだった。

 ダイヤモンドバックスにも、開幕当初は、ワールドシリーズ優勝3度のマディソン・バムガーナーがいた。サンフランシスコ・ジャイアンツ時代の2010年と2012年と2014年に、ワールドシリーズで投げている。ジャイアンツはこの3シリーズとも4勝を挙げ、バムガーナーは2014年にシリーズMVPを受賞した。2020年のシーガーと同じく、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズのMVPにも選出されている。

 ただ、今シーズンは、先発4登板で防御率10.26。5年8500万ドルの契約4年目ながら、4月下旬に解雇された。そのまま、どことも契約を交わすことなく、現在に至っている。年齢は34歳だ。

 ESPNのバスター・オルニーによると、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第7戦の当日、レンジャーズのブルース・ボウチー監督は、バムガーナーから、投げようかという申し出のテキスト・メッセージを受け取ったという。

 もちろん、ジョークだろうが、かつて、ボウチーとバムガーナーは、監督と投手の間柄だった。ボウチーは2007年から2019年までジャイアンツで采配を振り、バムガーナーは2009年のメジャーデビューから2019年までジャイアンツで投げた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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