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7年も裁判を?!いわくつきチョコケーキ「ザッハトルテ」を勝手に食べ比べてみた

チョコレート大事典ケイチョコレートライター

美人で有名なエリザベート皇后が愛したチョコレートケーキとしても知られる「ザッハトルテ」。

諸説あるようですが(私が読んだ専門書数冊によると)、1832年にオーストリアの菓子職人 フランツ・ザッハによって考案されたとされるウィーンの伝統的なケーキです。

今回は、そんなザッハトルテをめぐるちょっぴり面白い(?)歴史について…と、その歴史の主役である「ホテルザッハー」と「デメル」の同スイーツについてご紹介したいと思います。

そもそも「ザッハトルテ」って?

「ザッハトルテ」は、チョコレートを使ったドシッと硬めのスポンジ生地にアプリコットジャムを塗り、それをチョコレートシロップを結晶化されたもの(フォンダン)で分厚くコーティングしたケーキです。

お砂糖を入れていない、たっぷりの生クリームと一緒にいただきます。

裁判で商標が争われた、曰く付き(?!)のスイーツ

実はこの「ザッハトルテ」、「ホテルザッハー」と、その息子の結婚相手のお家である「デメル」との間で、7年もの期間、その商標をめぐる裁判が行われたという歴史があります。(本家と元祖、みたいな感じなんですかね?)

結果、「ホテルザッハー」がオリジナルを名乗ることを許され、「デメル」は「Demel's Sachertorte(デメルのザッハトルテ)」とするように、という判決に。

パッケージや箱にも、しつこいくらいに「Original」の文字が入る「ホテルザッハー」の「ザッハトルテ」。
パッケージや箱にも、しつこいくらいに「Original」の文字が入る「ホテルザッハー」の「ザッハトルテ」。

ちなみにこの裁判については、All Aboutグルメ スイーツガイド下井 美奈子さんが、2005年にアップした記事(外部サイト)で「甘い7年戦争」という日本語で紹介してらっしゃって、以降のネット記事はコレに倣って、この単語がよく使われてるみたいです。

「ホテルザッハー」と「デメル」を食べ比べてみる。

(ここでいう「デメル」は、デメルジャパンにより日本で作られたものですので、本場ウィーンで食べるものと全く同じというワケではないです。「ホテルザッハー」はウィーンから個人輸入しました。)

デメル

想像よりもずいぶんと食べやすいザッハトルテ。

期待していたほどアプリコットジャムを感じないのが個人的には残念なのですが、そもそも日本人にはちょっとパワフルすぎる?であろうフォンダンも控えめで、誰が食べても美味しいと感じるように作られていました。

ホテルザッハー

パワフル!
洋酒使ってるのかな?というくらいに、異国の非日常な味わいを楽しめます。

ウィーンから個人輸入した「ホテルザッハー」の「ザッハトルテ」。
ウィーンから個人輸入した「ホテルザッハー」の「ザッハトルテ」。

フォンダンも、前者のような滑らか寄りな仕上がりではなく、シャリシャリ ジャリジャリとした食感量も遠慮ない…!

そしてアプリコットジャムも、生地の周りだけでなく中央にもサンドされているため、こちらも量が多く、キッチリとした酸味を感じることができます。

甘い、苦い、すっぱい、美味しいと、忙しい味わい(笑)

苦いコーヒーや何かのお酒…ウイスキーとか?(お酒飲まないのでボンヤリですが)に合いそうです。

もちろん、両者ともに古い歴史があり、味わう価値のあるザッハトルテ。
皆様も機会があればぜひ食べ比べを。

「ホテルザッハー」の個人輸入については、以下記事に詳細を掲載しています。

ウィーンからザッハトルテを個人輸入してみた!|チョコレート大事典(外部サイト)

「デメル」や「ザッハトルテ」に関しては以下の本を参考にしました。

厳選ショコラ手帖(株式会社世界文化社)
ショコラ・ランキング(祥伝社)
チョコレートの事典(成美堂出版)
高級ショコラのすべて(株式会社PHP研究所)
世界の一流ショコラ図鑑(講談社)
チョコレート語辞典(誠文堂新光社)

チョコレートライター

1年で200種類のチョコレートをお取り寄せ、365日毎日チョコ生活のライター。趣味は、ローカルなチョコレートショップ巡り。サロンデュショコラアンバサダー2022&23。「チョコレート大事典」「35-45WOMAN」編集長。潮出版社より『特別講義「ひきこもり大学」』発売中。

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