太平洋上に新たな積乱雲群が発生中 今後の動向を注視
積乱雲群が発生中
タイトル画像をみると、フィリピン付近やフィリピンの東の太平洋上に真っ白な雲の塊が複数発生している様子がうかがえます。
雲の形が分かる雲形情報を確認すると、真っ白に見えるのは活発な雲頂高度の高い積乱雲であることが分かり、このうち、フィリピン付近には低圧部が解析されています。
低圧部とは、周囲より気圧が低く、低気圧性の循環は認められるものの、その中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心がハッキリとすれば熱帯低気圧、いわゆる台風のたまごに名前が変わります。
南シナ海で熱帯低気圧が発生
気象庁の予想天気図によると、上述した低圧部は今後フィリピン付近を通過し、あす5日(火)午後9時には南シナ海で熱帯低気圧が発生する予想です(天気図のTDマーク)。
この熱帯低気圧を台風へ発達させる計算もありますが、中国大陸を指向させる計算が多く、もし台風になったとしても、日本付近への影響を見込む計算は今のところほとんどありません。
そしてあす夜の予想天気図からはその他の熱帯擾乱の予想はないのですが、気がかりなのはフィリピンの東の太平洋上にある積乱雲群です。
諸外国を含めて、様々な計算が週末にかけて、この積乱雲群あたりで熱帯低気圧の発生を見込んでおり、計算によっては2個から3個の複数の熱帯低気圧を予想するものまであります。
またフィリピン周辺でも上述した南シナ海の熱帯低気圧以外に、別の熱帯低気圧の発生を見込む計算も多数存在しています。
日本付近への影響などは、まだまだ不確定要素がありすぎて、もちろん早計に語ることは出来ませんが、今後の動向を注意深く見守る必要がありそうです。
フィリピン付近に不気味な対流活動の大規模な活発域
ちょっと気になる予想も出されています。
上図はCHI、速度ポテンシャルの5日間平均の予想図で、熱帯の対流活動等に伴う大規模な発散・収束等を監視するのに利用しているものです。
赤色部は平年より空気の収束が大きい領域、逆に青色部は平年より空気が発散している領域で、ともに色が濃くなればなるほど、収束や発散が強いこと示しています。
一般に、熱帯域での下層収束(発散)、上層発散(収束)域は、大規模な対流活動の活発な(不活発な)領域に、おおむね対応しています。
上図10月11日(月)を中心とした5日間平均の予想では、下層に対応するCHI850(上空1500メートル付近)がフィリピン付近から日本付近で強い収束となっており、逆に上層に対応するCHI200(上空12000メートル付近)が強い発散という予想になっています。
これは紛れもなく、フィリピン付近から日本付近にかけて、大規模な対流活動の活発域が発生することを表しており、場合によっては、大きな台風が発生している可能性を示しているのかもしれません。
このあたりの予想にも注視です。