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雑談をする事で子どもの基礎力が上がる!キャンプを通してインストラクターが気づいた「子どもとの話し方」

いわもととしたつキャンプクリエイター/アウトドアライター
歩きながらどうでもいいことを話すのも、ある意味キャンプの醍醐味です

これまでインストラクターとして接してきたご家族の中で、「なんとかキャンプを成立させよう」とか「思い出作りに色々やらなくちゃ」など、せっかくのキャンプという事で頑張ろうという方を多く見かけてきました。

大人も子どもも同じですが、体験や経験を定着させるためには「インプット」と同じくらい「アウトプット」は大切です。思い出に残るキャンプにするためには、非日常体験というインプットと、自分の口で自分の事を話す「アウトプット」も気にしたい所。

今回はインストラクターとして様々な家族と接してきた中で、子どもと何を、どう話せば子どもの基礎力が上がるか、気づいたことを紹介していきたいと思います。

話すことはなんでもOK

いきなり身もふたもないのですが、話すことはなんでもOKなんです。「キャンプに来たんだから、植物や虫、星の話、またはテントの張り方といった話をしたい」と思うかもしれませんが、その必要はありません。

もちろん子どもが話したがっていれば聞いてあげるのが理想的です。しかし、それよりもたくさん話をする事を優先させてください。タイトルにも入れた、「雑談」こそがコミュニケーションの本質と考えています。

あくまでも私の経験上の話ですが、どんな話でも興味を持って聞いて上げる事で「絆」が生まれます。その日にあったキャンプのお兄さん(おじさん?)にもいろんな話を聞かせてくれるのです。親の立場でも普段では聞けないような話もしてくれるかもしれません。

何かをやりながらではなく、きちんと話を聞く

雑談をするのは良いとして、ゆっくりと話す時間はどれくらいあるでしょうか。普段のキャンプを振り返ってみてください。設営、晩ご飯の仕度、寝る準備、そして朝食、撤収...。ファミリーキャンプってすごく忙しいですよね。

そんな中で子どもの話を聞こうと思うと、片手間になってしまうケースが多いです。親もゆっくりする時間が欲しいですし。

1泊となるとどうしてもバタついてしまうので、意図的におしゃべりをする時間を作っておく必要があります。夜更かし・朝寝坊OKにしてしまうとかもアリですね。

今では様々な時短ギアが発売されているので、それらを使うのも有効です。そこで生み出される経験や体験の事を考えると、ある程度のコストも許容できるでしょう。

対面と側面を使い分ける

話を聞く際、対面で話を聞く方が良い時もあれば、同じ方向を見ながら話す方が良い時もあります。大事な話をする時はもちろん対面ですが、キャンプで雑談をする際は横に並んでの方がより実りのある会話が出来ると思います。

普段では話さないような事を話す時、大人でも気恥ずかしくなるものです。そういう時は、たき火を見ながら、川を見ながら、星を見ながら話すと良いのです。子どもだけでなく、夫婦での会話でも使えます。

互いを知り、絆を再確認する

我が家の小さなキャンパーもたくさんおしゃべりしてくれます
我が家の小さなキャンパーもたくさんおしゃべりしてくれます

もちろんキャンプで絆を作り出さずとも、日常生活でのやりとりで絆を深めていく事は十分可能です。キャンプを演出の一環としてコミュニケーションを取って行くという「ボーナスステージ的な存在」だと思っていただければと思います。

子どもは知らず知らずのうちに育ち、考えが分からなくなるものです。子どもからしても、親が本心ではどう考えているのか、普段の生活で推し量ることは難しいかもしれません。

親子で語り合った経験は記憶に残らないかもしれませんが、絆としては残るハズ。ファミリーキャンパーの皆さん、一度自分たちのスタイルを振り返り、ちゃんとコミュニケーションを取れているかどうか考えて見ましょう。

キャンプクリエイター/アウトドアライター

『子どもを育む場としての「キャンプ」こそ持続可能な社会の第一歩』をテーマに、子どもはもちろん大人の環境意識やサバイバル知識を高めるために日夜活動。実体験を通したキャンプの知識や雑学、マニアならではの考察についてお届けしていきます。

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