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「東海地方の将棋界の盛り上がりにつながれば」名古屋将棋対局場でA級初戦を制した藤井聡太竜王コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

藤井聡太竜王「(佐藤康光九段の作戦は向かい飛車穴熊で)こちらが序盤▲5七銀を上がっていない型なので、ちょっと(21手目)▲6六角やってみようかなと思ったんですけど。ただ、そうですね。組み上がったあとの動き方がわからなくて。夕休のあたり(49手目▲3八飛)のあたりはうまくいってないのかなと思いました。(▲8九玉型に組んだが)そうですね・・・。(61手目、端攻めに出た)▲9五歩に△9六香と打たれる手をちょっと見落としてしまって。うーん、そうですね、あそこはなんか、はっきり失敗してしまったかなと思います。その前の(54手目)△6六角のときに(本譜で▲6三歩成から攻めた順に代え)▲同角△同歩▲3五飛車という順を選ぶべきだったかなと思います。▲9五歩に本譜△9六香打たれてなんか、自信がなくなってしまった気がしました。(63手目▲9六同香を指すのに33分考えていたのは誤算があったから?)そうですね。なんか失敗してしまったかな、と思ってました。(89手目、相手玉に詰めろで)▲9三歩と打って、こちらに攻めのターンが来たので、そのあたりでは少し好転したかなと思いました。(最後、△6七角で自玉が頓死する筋もあった)ちょっと最後、こちらの玉が詰むかどうかという局面で。きわどいので、わかっていなかったです。(佐藤康光九段との長時間の対局は初めてだった)ちょっと中盤でいくつか誤算が重なってしまったところがあったので。そこは反省点だったのかなと思います。(A級初参加で白星スタート)そうですね。2局目以降も1局1局を大事にして(名人)挑戦を目指せるようにできればと思います。2局目以降も、本当にどれも大変な対局になると思うので、しっかりコンディションを整えて臨まなければいけないなと思います。(本局は地元の名古屋将棋対局場、こけら落としの一局でもあった)そうですね、こうして対局場を用意していただいて。こうして地元で対局ができることがとてもうれしく思いましたし。また順位戦で名古屋で対局する機会があると思うので、またそういった機会にいい将棋にしていければなと思います。(新しい対局場の印象は)初めてではあったんですけど、本当にすごく快適に対局することができたのかなと思います。(隣りで師匠の杉本昌隆八段も指している。東海の板谷四郎九段、板谷進九段一門にとっても記念すべき一日?)そうですね。今日は対局場を開設していただいてから初めての対局ということで。これからまた対局も多くおこなわれて。東海地方の将棋界の盛り上がりにつながればなと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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