弾道ミサイル防衛は複数目標同時迎撃が可能
日本に置ける弾道ミサイル防衛(BMD)の主軸はイージス艦のSM-3迎撃ミサイルです。大気圏外を防御する3段式ミサイルで射程は極めて長く、防衛省の説明ではイージス艦2隻の配備で日本列島全てを余裕を持って迎撃防護圏内に収める事が出来るとされています。
一度に複数のミサイルを追跡し迎撃する事が可能
イージスBMDは2007年11月6日のFTM-13「星のグリフォン」実験で、アメリカ海軍のイージス巡洋艦「レイク・エリー」が2発の弾道ミサイル標的に対して同時に2発のSM-3迎撃ミサイルを発射し迎撃する事に成功しています。なお迎撃実験が2発同時だったからといって最大可能交戦数が2発というわけではなく、それ以上の数に対処出来ますが軍事機密として公表されていません。イージス巡洋艦「レイク・エリー」は航空機や巡航ミサイル対処用のSM-2迎撃ミサイルならば16目標への同時交戦が可能ですがこれは終末誘導にイルミネーターを用いる為に、イルミネーターを用いないSM-3迎撃ミサイルの同時交戦数の参考にはならず、現状では正確な数は不明です。
SM-3以外も複数目標の迎撃が可能
THAADシステムは2011年10月5日のFTT-12実験で2目標同時迎撃実験を成功させています。この実験で使用された弾道ミサイル標的は、発射地点を自由に選べる空中発射型標的と海上発射型標的の2種類で、発射コースも発射時刻も事前予告されない不意打ちで行われています。
他にはもちろんPAC-3も複数目標同時迎撃は可能で、実験も何度か繰り返しています。最近ではイスラエルのアイアンドームが実戦で12目標同時迎撃を成功させており、最新鋭の迎撃ミサイルシステムはかなりの数の目標を同時迎撃する事が可能となっています。