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電子書籍の弱みは「積んどく」が出来ないことだ!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

【画像はtiny planetで著者作成】

電子書籍になって、良い事は山ほど増えた。

もう、書棚にある重たいハードカーバーの本をカバンの中にいれて、出かけようなんて考えることは皆無となった。

しかし、通常の書店では、電子書籍は、買えず(販売しているところは稀だ)、紙の印刷本(アコースティック)書籍を購入してきてしまう。

書店での良書との出会いは、新刊本では問題ないが、少し古いと、一生出会えなくなってしまう。

だから、ついつい購入してしまう。

特に、神保町あたりでは、どっさりといろんなのものを仕入れてしまう傾向にある。

それは、紙の印刷物が、読まなくても、積んだままの、「積ん読(ど)く」が可能だからだ。

紙の書籍でできて、電子書籍ではできない事。それは「積んどく」。

読んでいない本の山々は、人生の知識余白というスペースなのかもしれない。まだ「これだけ読む時間がある」と自己主張してくれている。

しかし、電子書籍マーケットでは、希少価値というコトバが存在せず、潤沢価値なので、売り切れるということもない。

だから、今、購入する必要もないのである。

必要な時に必要な分だけ購入すればいいのである。

たとえ、購入したとしても、現在の電子書籍での持っている書籍の閲覧性では、どれも非常にプアである。

このまま、電子書籍で1000冊も購入したら大変なことになるのがわかる。どれだけタップしなければならないだろうか。または、非常にうちずらいキーで一冊づづ検索するしかない。

まったくもってトホホな状態である。

その点、楽天などはキャンペーンなどで50%オフで電子書籍なのに、「積んどく」と同じ環境を生み出させているのが非常に上手い!

ただ、冊数が非常に限定されている。

しかし、出版社も著者も売れないで100%よりも、50%にダンピングされても、売れたほうがいいにきまっている。

電子書籍の未来は、どれだけ「積んどく」させるかにかかっているともいえる。

電子書籍市場からの「積んどく」への攻略は、売上を伸ばし、電子書籍の価格を下げる一つの分水嶺となることだろう。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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