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ドジャースが「成功とは思っていない10年間」の939勝は最も多く、ポストシーズンを逃した年もないが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)Oct 9, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースに入団した大谷翔平は、記者会見で最後の決め手について訊ねられ、その返答のなかで「心に残っている言葉として、オーナーの方、マーク・ウォルターさんも含めて、この10年間、ドジャースが経験してきた10年間を彼らはまったく成功だと思っていない、ということはおっしゃられていたので、それだけ勝ちたいという意志がみんな強いんだな、というのは心に残ったかなと思います」と語った。

 2013年から、ドジャースは、11年続けてポストシーズンに進んでいる。なので、この10年間、2014~23年のポストシーズン進出は、10度ということになる。2番目に多いのは、8度のヒューストン・アストロズ(2015年、2017~23年)。3番目は、7度のニューヨーク・ヤンキース(2015年、2017~22年)だ。

 ナ・リーグでは、ともに6度のセントルイス・カーディナルス(2014~15年、2019~22年)とアトランタ・ブレーブス(2018~23年)が、ドジャースに次ぐ。カーディナルスは、このスパンの前を含め、2011年から2015年まで、5年続けてポストシーズンに進んだ。

 また、ここ10年間のレギュラーシーズンに、ドジャースは、計939勝を挙げている。こちらも最も多く、2位のアストロズと68勝差。ナ・リーグ2位(両リーグ5位)のカーディナルスとは、117勝もの差がある。このスパンの勝率が.575を超えているのは、.618のドジャースだけだ。

 ただ、このスパンに、アストロズは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズまで7度進み、リーグ優勝(ワールドシリーズ進出)を4度飾っている。そのうち、2017年と2022年はワールドシリーズも制した。それに対し、ドジャースは、このスパンのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出が5度、リーグ優勝が3度、ワールドシリーズ優勝は2020年の1度。いずれも、2番目の多さながら、アストロズには及ばない。

 アストロズとの比較はともかく、この10年間を成功だと思っていない理由は、このあたりにあるのかもしれない。

 しかも、ドジャースは、直近2度のポストシーズンで1勝しか挙げていない。2022年はサンディエゴ・パドレスに1勝3敗、2023年はアリゾナ・ダイヤモンドバックスにスウィープされた。どちらも、相手は、ドジャースと同じナ・リーグ西地区のチーム。レギュラーシーズンの対戦で勝ち越し、15ゲーム以上の差をつけていたことも共通する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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