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知る人ぞ知る!今話題の「大阪土産」”古き良き日本の伝統や味”を現代にアップデート

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。大阪市旭区に「関目七曲」と呼ばれる湾曲した道があるのをご存知だろうか?

ココはかつて秀吉が大阪城防備のため、道路を数回屈折させたと伝わる歴史ある道。地下鉄「関目高殿駅」から歩いて2分ほどの場所だ。

そんな関目七曲を歩くと、古民家をリノベーションした一風変わった店がある。

ん?なんの店だろ…。

きっと、初めての方はそ~っと近づいて覗き見るはず。そして昭和レトロな雰囲気に引き込まれてしまう。私自身がそうだった。

ここは「株式会社 一創堂」というメーカーだ。いわゆる”古き良き日本の伝統や味”を現代にアップデートしている面白い会社である。

奥は事務所になっており、入口付近には商品が並んでいる。

とは言え、ここは商品は店舗と言うよりも会社の本部なので基本的には平日しか空いていない。しかも、仕事の都合上で不在の場合は閉まっていることもあるそうだ。ある意味、出会えたらラッキーなのかもしれない。

で、ここでは何を販売されているのだろうか。

それにしても、独特の世界観だ…

商品が並ぶ棚には ”幸福を招く” とされる縁起物「福助人形」がドーンと鎮座している。ところで、福助って知っていますか?

一説によると「福助」は江戸時代に実在した人物で、摂津国の佐太郎がモデルとされているのだとか。また、堺市に創業した足袋の老舗メーカーの社名としても知られている。実は大阪とは縁が深い縁起物なのだ。

幸せを呼ぶ福助のルーツは大阪…

という事で「万(よろず)の福と笑顔を届けたい」という想いを込めた縁起の良い商品に「大坂万福」がある。

縁起の良い”かわいい缶”に入ったお菓子

この可愛らしい缶の中には…

昔懐かしい味が楽しめる”おまめやん”が入っている。落花生を小麦粉と寒梅粉で包んで煎り、さらにたっぷりのきな粉や抹茶で包んだお菓子だ。

きな粉や抹茶の香ばしい甘みと香りの中に、サクサクした食感と落花生のほろ苦さが絶妙な食べだしたら止まらないお豆菓子。ラインナップは「きなこ」と「抹茶」の2種となる。

そして、縁起の良さがドドーンと際立つ缶もある。

これも「大坂万福」シリーズだ。

この缶の中には “かりんぽい” が入っている。

香ばしいかりんとうを有平糖で包み、一口サイズに切ったお菓子。関西では天神さまに奉げた菓子として「奉天」とも呼ばれている。

口に入れるとカリっとした飴の中にサクサクと香ばしさが味わえる。味は苺、抹茶、チョコの3種。

それにしても「大坂万福」って、大阪万博にゴロが似てるぞ!縁起物だし、缶も可愛らしいしお土産にも最適だ。それに昔から大阪で愛され続けていたお菓子が、令和の時代に合わせてアレンジされているのも実に良い。

ところで…

んっ!何だこりゃ?

店内には怪しい絵がある。

その案内には「なにわちょろけん」と書かれていた。

パッと見たら妖怪に見えるが、これは江戸時代後期から明治にかけて京阪地方に存在した門付芸、いわゆる大道芸の一種だったとか。

「なにわちょろけん」とは…
かつて門付け芸としてなにわの人々に愛された「ちょろけん」。
シャッポをかぶり、大きな寸胴に描かれた顔はペロッと舌を出し、何ともユーモラス。大阪弁の「ちょける(おどける・ふざけるの意)」の語源ともいわれ、江戸時代の街中を「ちょろが参じました ちょろを見る人福徳来たる 厄難厄病皆取り払う」と囃しながら歩く姿は、なにわが産んだゆるキャラの元祖ともいえます。
<引用:株式会社 一創堂の公式HPより>

代表取締役の野杁さんに話を聞くと、

同店は少し前に蒲生四丁目から「関目七曲」に移転して来たそうだ。それにしても…この独特な世界観について聞くと「お客さんがお店に来てくれた時に、商品がいっぱい並んでいるのではなく、世界観を表現・提案したい」と話す。

確かに、独特な世界観だ。

それにしても…

この「なにわちょろけん」と書かれた赤い缶かん。そこには「土佐稲荷神社 奉納」とある。これは一体?「なにわ=浪花=大阪」で大阪名物としては納得だが、どうして土佐(高知県)なのか?改めて聞いてみた。

すると、代表の野杁さんは「大阪土産をつくろうと考えた時、大阪発祥の名物って他府県に比べ少ないな」って感じたそうだ。

その理由を歴史資料館などに行き、識者に会って話を聞くと、「大阪は昔から諸国の台所と呼ばれ、他府県から色々なモノを入れていた」と教えてもらったそうだ。

いわゆる大阪は物流拠点みたいな場所だった。

日本各地から色んなものが集まって、大阪発信で何か新たに作り出そうというのは少なかったと…。

確かに大阪には、他府県に関する地名が数多く残されている。

阿波座(あわざ)は古くから阿波(徳島)の商人たちが住みついて座をつくり商いなどをしていたことに由来するのは有名だが、土佐堀も土佐(高知)の商人の「土佐座」があったためと伝えられている。

そこで、野杁さんは、土佐堀に注目し、高知の名物の「芋けんぴ」を、大阪の「ちょろけん」を掛け合わせた。それもまた大阪らしいだろうと。

そして土佐藩の蔵屋敷跡地にある土佐稲荷神社の奉納菓子となったという。

この「ちょろけんぴ」の美味しさは言うまでもないが、この缶かんも可愛く、雑誌でも取り上げられ人気が急上昇しているという。

なるほど!こりゃ~缶マニアにはたまらないだろう。

今回は「株式会社一創堂」の商品の一部をピックアップしたが、他にも気になる商品があった。いや…これからもっと!色んな視点で新商品が誕生して行くのではないか?という期待感も沸いた。

ちなみに、あまりに楽しくて野杁さんと3時間ほど話し込んでしまった。これから注目したい企業だ。古き良き大阪のもっと掘り出してほしい。

株式会社 一創堂
住所:大阪市旭区高殿4丁目9-5
電話番号:06-7777-4704
※平日は本社で購入可、ただし店舗は不定休。
 販売店は公式サイトにてご確認下さい。
公式ホームページ(外部リンク)
公式instagram(外部リンク)
地図(外部リンク)

取材協力:株式会社 一創堂

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はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介したい|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|”思わずクスッと笑ってしまうような”珍スポット探し|目標は個性的でヘンテコな旅本の出版|フォローして頂けたら嬉しいです。

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