「静かに見守りたいと思います」里見香奈女流四冠の棋士編入試験を応援する蛸島彰子女流六段コメント
初代女流名人・蛸島彰子女流六段「(里見香奈女流四冠が編入試験を受けると聞いて)そうでしたか・・・。聞いたこちらの方が緊張してきました(笑)。どうお答えしたらいいのでしょう。本当に素晴らしい。本当に応援したいです。1か月前、里見さんが棋士編入試験を受けられる成績を取られたとき、将棋を指す女性がまた一歩階段を上ったような気がしていました。それから試験を受けるか受けないかは、里見さんご自身が決められることでした。どちらを選ばれても、その進まれる道を応援したいと思っていました。里見さんは常に前向きにものごとを考えて進んでいかれる。素晴らしいですよね。それをまず感じました。女流棋士制度が発足して、そろそろ五十年になります。その前から『将来、女性は棋士になれると思うか』と尋ねられた際には『はい、限界はないと思います』とお答えしていました。それからの五十年はあっという間な気もするし、長かったような気もします。でも、五十年前に思ってお答えしたことは、いまでも変わりません。それがだんだん現実に近づいてって、うれしいですよね。結果よりも、前向きになって進んでいくことが大切だと思います。里見さんは常に『将棋を強くなるために』っていう発言をされてらっしゃいますからね。『好きな将棋を一生懸命やりたい』という言葉が、とても印象に残っています。私はいまでも、里見さんの棋譜を見て勉強しています。里見さんが楽しんで真剣に指される将棋を観戦できるのは、私も楽しみです。里見さんが願われているように、静かに見守りたいと思います」(蛸島女流六段・談)