北海道大地震、現場で働く人のために
災害現場で働く人を守ろう
北海道で大地震発生です。次々と被害状況が報告されています。
電力をはじめ、ライフラインが止まり、高速道路も列車も飛行機もだめ。土砂崩れで、行方不明者も出ています。
現場では今、様々な分野の人たちが必死になって復旧作業、救出作業に取り組んでいます。私は、いくつかの災害現場で、電力や電話や消防警察土木、避難所関係の方々などから、話を聞いてきました。どうぞどうぞ、現場で事故など起きませんように。
東日本大震災の現場では、まだご遺体が外に並んでいるような状況で、いち早く現場に向かい、電柱を立てたりした話を聞きました。人命救助、ライフラインの復旧、交通網の回復、最優先事項として作業が急がれています。
今、必死になっているプロたちがいます。混乱の中で、文句を言いたい人もいるでしょう。ごもっともなことです。またネット上では、道外の人から北海道電力などを批判し揶揄する声も聞かれます。しかし、プロしかできない仕事をしているプロを支えるのは、私たちの役目です(批判があっても、少し落ち着いてからでも良いのではないでしょうか)。
災害現場で働くプロたちも、こんな現場はそうそう経験していません。働く方々自身やご家族も、被災者だったりします。困難の中で働いている人たちがいます。
災害心理学の研究によれば、彼らの心を傷つけるのは市民の無理解であり、彼らの心を支えるのは市民からの理解です。
事故、二次被害を防ぐために
事故や二次被害が起きる要因は、「焦り」と「疲れ」です。このような状況で、ヒューマエラーが発生し、ときに大事故につながります。急がなければなりませんが、事故や二次被害を出してはいけません。
お金をもらっているプロはもちろん、今走り回っている町内会の役員さんや、消防団の人も同様です。ボランティアや、個人で家や家族や店のために動いている人も同様です。
災害発生時には、しばしばいつもより力が発揮されますが、スーパーマンになったわけではありません。心にも体にも負担はかかっています。あなたの尊い仕事を続けるためにも、どうぞご自分の心と体をお守りください。
これまでの地震現場で、倒れた墓石を直しに行って急病で倒れた人もいます。こんな時は、ご先祖様だって赦してくれるはずです。気がかりなことがあっても、後で良いことは後にしましょう。
ある災害復旧関係で、電力関係の人からお聞きしました。現場で高いところに登るなど、危険な作業をする人は、まず自分の家族の安否確認をするそうです。家族のことを心配しながらの作業では、事故の危険性が高まるからです。
管理職の人がおっしゃっっていました。「その災害復旧に関連した事故は一見も起きなかった。それが、私たちの誇りです」。
現場の方からは、こんな話を聞きました。「現場で作業をしていて、電気が復旧して暗い街に明かりがつくと、家々からの歓声が聞こえる。本当に嬉しくて、次の現場に行く元気がわく」。
現場で働く人々の思いは同じでしょう。ただし、市民の声に促され、責任感につきうごされ、無理をして不眠不休の仕事を続けたりしたら、事故の危険性が高くなります。どうぞ、プロもボランティアも個人の方々も、事故が起こさないことを誇りにしてください。
大災害生時には、地域が、日本全体が、ひとつのチームになって、復旧復興を目指したいと思います。