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アルゼンチン人コーチが語る「シュミット・ダニエルは大きな可能性を秘めたGK」

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
ベネズエラ戦でA代表デビューを飾ったシュミット・ダニエル(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

 元アルゼンチンユース代表、ビーチサッカーアルゼンチン代表で、現在は埼玉県に発足したクラブチームFC Futureで指揮を執っているセルヒオ・エスクデロ。

 息子であるエスクデロ競飛王は、先日、京都サンガから韓国・Kリーグの蔚山現代に期限付き移籍し、背番号9を付けて活躍中だ。

 そのエスクデロに、ベネズエラ戦、キルギス戦を終えたサムライブルーについて訊いた。

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写真:本人提供
写真:本人提供

 昨日の日本代表の相手、キルギスは弱過ぎました。日本が勝って当たり前のチームでした。ただ、このところスタメンで出られない選手にチャンスを与えた森保監督の采配は、非常に良かったと思います。「きちんと自分を見ていてくれる」「頑張れば代表のユニフォームを着てピッチに立てる。使ってもらえる」と、選手の誰もが感じたことでしょう。

 ただ……大迫勇也、南野拓実、中島翔哉、堂安律の4名は安定していますが、杉本健勇、北川航也、原口元気、伊東純也の攻撃はバリエーションが無く、連携もイマイチで、差が見えてしまいました。原口はゴールという結果を出しましたが、大迫の得点の絡み方のほうが、インパクトがありましたね。大迫の3人目の動きは効果的でした。

 現代表には、堂安律、山中亮輔と2名の左利きがいますね。左利きの選手が3人くらいいると、チームはバランスが取れるものです。フリーキックのパーツも増えますよ。

 キルギス戦以上に印象的だったのが、ベネズエラ戦です。南米で”4強”と呼ばれるのが、ブラジル、我がアルゼンチン、ウルグアイ、コロンビアなのですが、今日のベネズエラは南米で5番目の国になろうとしています。次のワールドカップは、十分、狙える国ですね。

 結果は引き分けでしたが、そんなベネズエラに対し、日本は果敢にサイド攻撃をし、ボールをつなぐ意識も高かった。セットプレーの練習の成果も見せました。吉田麻也が前線に鋭いパスを出したシーンも評価出来ます。

 それ以上にいい意味で驚かされたのが、代表デビューを飾ったシュミット・ダニエルでした。身長が197センチもあるから高いボールに強いし、落ち着いているし、キックの正確さも光りました。一番後ろにいるダニエルからの1本のパスで、戦況を変えることが出来ます。グランダーのボールも、ロングの山なりのボールもミスなく蹴っていました。そのパス1本1本に狙いが感じられて、大きな可能性を感じさせました。

 GKからの素早い展開でゲームの流れが左右するというのは、まさしく現代サッカーにフィットしています。将来が楽しみな男ですね。素晴らしいGKですよ。間違いなく、ダニエルは今後、日本の正GKになるでしょう。

 森保ジャパンのアジア大会、期待しています! 是非、優勝を飾ってほしいですね。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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