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Bリーグ・香川の暴力指導が注目されるなか、日本の若き才能がJr. NBA世界選手権に出場

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
写真:NBAE

 Bリーグ、香川ファイブアローズのヘッドコーチ、衛藤晃平の暴力事件が報じられたのは8月8日。既に様々なメディアがニュースとしたので詳細は割愛するが、暴力事件が発生したのは2017年の師走で、チームがそれを隠して来たことが哀しい。

 八村塁、渡辺雄太と、世界最高峰の舞台でプレーするジャパニーズが2名も現れたというのに、まだまだ日本のバスケ界には、こんな輩が指導者面をしてのうのうと生きている。

 衛藤の醜聞が伝えられた日、日本の若き才能は、Jr. NBA世界選手権(8月6日〜11日)に出場していた。アジア太平洋代表に男女1名ずつが選出され、日本バスケ界の暗いイメージを吹き飛ばしてくれた。

写真:NBAE
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 男子は内藤英真(西福岡中学校3年)、女子は福王伶奈(名古屋市立長良中学校2年)。

写真:NBAE
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 2人は国籍の違う選手たちと同じユニフォームを着て試合を重ねながら、NBAによる「選手たちにコート外でも記憶に残る経験をしてもらう」ことを目的としたライフスキルセッション、地域奉仕プロジェクト、ディズニーワールド訪問などもこなしたそうだ。

写真:NBAE
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 選手としてどれだけ一流になったとしても、いつかは引退する日がやって来る。そこで求められるのは、人間性だ。ノンフィクション界の巨匠、デビッド・ハルバスタムは、バスケット関連の著作『勝負の分かれ目』において、O・J・シンプソンの言葉を紹介している。

 「名声とは蒸気のようなものだ。人気もうたかたにすぎない。金は羽根が生えたように飛び去ってしまう。確かなものはただ一つ。人間としての選手の姿だけだ」

 衛藤や元桜宮高校監督のような人間と関わっていては、人間性を高めることが困難となる。そればかりか、人生においてプラスになることなど何ひとつ無い。

写真:NBAE
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 今回、Jr. NBA世界選手権が開催されたフロリダ州オーランドで貴重な経験をした未来ある若者が、日本のバスケット界に潰されないことを願ってやまない。彼らは早い時期に本場に渡るべきである。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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