【福岡市早良区】うどん・そばどっち?西新『やお八』で楽しむ 選べる天ぷらと創業40年の味
お散歩ライターの石井つかさです。
今回は、1984年創業の老舗うどん屋で、地域の人々に愛され続けてきた存在です。創業者が店を手放そうとした際、「なくしたくない」という思いから、その当時アルバイトとして働いていた馬東敏(ば・とうびん)さんが店を譲り受け、現在も暖簾を守っています。彼女は15年前にこの店を引き継ぎ、それ以来、毎日地元の常連客や初めて訪れるお客さんを温かく迎え続けています。
店に入ると、まず最初に店主から掛けられるのは「うどん・そばどっち?」というシンプルな一言。この一言から店での楽しい時間が始まります。その気軽な問いかけは、まるで長年通い慣れた場所に戻ってきたような温かさを感じます。
「やお八」のメニューは、うどんとそば、天ぷら、おにぎりといったシンプルなものばかり。しかし、そのシンプルさこそが、店主とお客さんとのやりとりを引き立てています。儲けを優先するよりも、訪れる人々とのふれあいを大切にする店主の姿勢が、多くの常連客に愛されている理由でしょう。
「やお八」では、まずうどんかそばを選びます。その後、店内に並べられた天ぷらの中から好きなものを自由に選べるスタイル。天ぷらは揚げたてではないものの、その日の気分に合わせて選べるのが楽しみのひとつです。
また、ご飯類としては「味ご飯おにぎり」や「いなり」などが用意されており、筆者も味ご飯おにぎりを1つ追加しました。店主の「ひとつでもイイですよ!」という気遣いの一言が、より親しみやすさを感じさせてくれます。
筆者が、この日食べたのは『うどん(税込400円)・菜の花(税込100円)・玉ねぎ(税込100円)・おにぎり(税込150円)』です。注文から提供まで3分程度というのも大きな魅力ですね。
まずはスープからいただきましたが、しっかりとしたお出汁(昆布と節系)に甘めの醤油が絶妙なバランスで美味しく、驚きます。天ぷらは揚げたてではないためサクサク感はないものの、スープを吸わせて柔らかい麺と共に食べると、これもまた一つの博多うどんの楽しみ方であり、このスタイルが「やお八」ならではの味わいだと思います。
ご飯ものはおにぎりが用意してあり、自分で取ってくるスタイルになります。この気取らない感じが、また行きたくなる秘密の一つだと思います。
毎日でも食べたくなるような味と、店主の温かい接客が生み出す独特の雰囲気が融合した「やお八」。ここでは、美味しいうどんやそばを味わいながら、店主との何気ない会話や温かい人柄に触れることができます。
西新に訪れた際には、ぜひ「やお八」に立ち寄り、天ぷらを選び、うどんやそばをすすりながら、店主とのひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。