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新天地の大阪エヴェッサでオールラウンダーとしての能力を存分に発揮しているレイ・パークスジュニア

青木崇Basketball Writer
大阪で活躍の機会が増えているパークスジュニア (C)B.LEAGUE

 このオフ、3シーズン過ごした名古屋ダイヤモンドドルフィンズから大阪エヴェッサに移籍したレイ・パークスジュニア。フィリピン代表経験もある193cmのガードは、攻防両面でオールラウンドなプレーを見せてチームに貢献している。

 特に得点面での活躍が目覚ましく、12月1日の試合終了時点における平均16.9点はB1全体で14位。10月26日のレバンガ北海道戦の27点を最高に5試合で20点以上を記録するなど、平均得点が昨季(8.8)よりも倍増している。新天地の大阪で得点が増えている点について、パークスジュニアは次のように説明する。

「ここではより多くのチャンスを与えられたと感じています。正直に言うと、それが過去数年と比べて最も大きな違いなのです。得点すること、オフェンスのクリエイト、才能を発揮するチャンスがここでは増えています。その機会を与えてくれた大阪にとても感謝しています」

 11月30日の茨城ロボッツ戦は、パークスジュニアにとって非常に苦しい試合になった。ピック&ロールでボールを持った際に2人がかりでプレッシャーをかけられ、うまく対応できないシーンがあった。1Qで2つとファウルトラブルに陥った影響で、前半は無得点、ターンオーバー4本とオフェンスでまったくリズムを掴めなかった。

 3Q序盤に疑問符をつけたくなるようなオフェンシブ・ファウルを吹かれたが、パークスジュニアは冷静さを失うことなくプレーし続ける。その象徴とも言えるのが、ボールのない局面でファウルを吹かれないように、両手を腰のうしろで組んだ状態でディフェンスしていたのだ。

 また、茨城がショットを外した際にしっかりとボックスアウトし、3Qまでで8本のリバウンドを奪取。自身のショットがなかなか決まらない状況でも、チームメイトへの得点機会を創出するアシストが5本を数えた。

「経験の証だと思いました。それが私のゲームの美しさです。私はただのスコアラーではなく、ディフェンスもできますし、リバウンドも取れますし、オフェンスを促進することもできます。だから、今日はオフェンスで私の日ではありませんでしたが、それでも私はチームに貢献しています。チームは私を元気づけてくれる素晴らしい仕事をしてくれました」

 厳しい状況をこう振り返ったパークスジュニアは、大阪が4Q中盤で逆転に成功した際の12連続得点中に3Pショットを成功させ、残り0.6秒に勝利を決定づける2本のフリースローを決めた。29分54秒間出場して9点、10リバウンド、5アシスト、6ターンオーバーというスタッツに終わったパークスジュニアに対し、藤田弘輝コーチはこう称賛した。

「今日はオフェンスでのスコアリングだったり、プレーメイク的に彼のスタンダードからして良くなかったかもしれないけど、彼がもたらす影響はすごく大きい。それこそ、最後にディフェンシブ・リバウンドを何本も取ってくれたことです。そこ(リバウンド)はチームの課題なので、彼が率先して意識的にボックスアウトやボールを取りに行ってくれる。本当に彼の存在は得点だけじゃなく、非常に大きなものがあります」

 パークスジュニアは翌日、今季を象徴するかのようなプレーを見せ、大阪が3点差で競り勝つのに大きく貢献。フリースローを7本決めるなど、アグレッシブに攻め続けて20点を記録した。

 Bリーグで4年目、2015-16シーズンにNBAGリーグのテキサス・レジェンズでプレーした経歴があるなど、パークスジュニアはプロ経験が豊富なベテラン選手。大阪が2020-21シーズン以来となるCS出場を果たすためにも、リーダーの一人としてチームを牽引する覚悟を持ってプレーし続けるつもりだ。もちろん、成功を手にするためのカギを握る重要な選手であることに疑いの余地はない。

「自分らしくあり続けること、(チームを)牽引し続けること、一生懸命プレーし続けることが大事。正直に言うと、このグループの全員が一生懸命に取り組んでいます。文化を築くことが本当に大事。大阪という街は鼻っ柱が強い文化があると思います。私たちは一生懸命にプレーしていますし、それこそがチームに定着させたいことなんです。セオ(藤田コーチ)がここに来て最初の年ですけど、私たちは素晴らしい仕事をしていると感じています。まだまだ多くの点で成長できる余地はありますが、選手全員がそれに応えてくれています」

 

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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