【二刀流復活に向けアピールが続く大谷選手】

　今シーズン二刀流の完全復活を目指している大谷翔平選手が、連日のようにオープン戦で活躍を続け、周囲の期待を上回る好調ぶりをアピールしている。

　現地時間の3月15日に実施されたレッズ戦では、同じく二刀流が期待されているマイケル・ロレンゼン投手相手に2打席連続本塁打を放つなど、ここまで打率.563、3本塁打、5打点の成績を残し、目下チーム三冠王（本塁打と打点はトップタイ）に輝いている。

　投手としても依然として好調をキープしている。2度目の登板となった同13日のホワイトソックス戦では6安打5失点を喫したものの、四球は1つに止め昨年のように制球を乱す場面はまったく見られない。

　さらに球速も常に100マイル前後を維持しており、ジョー・マドン監督の評価もまったく揺らいでいない。

　ここまでの投打の活躍ぶりに、今ではチーム首脳陣だけでなくメディア、ファンも、大谷選手が二刀流としてシーズンをスタートすることを信じて止まない。

【チームリーダーが大谷選手に抱く期待感】

　それも単なる二刀流の復活に止まらず、高いレベルでの二刀流を期待する人たちが確実に増えている。

　その1人がチームリーダーのマイク・トラウト選手だ。彼は3月15日配信のESPNの「Baseball Tonight」ポッドキャストでバスター・オルニー記者のインタビューに応じ、今シーズンの大谷選手の活躍について聞かれ以下のように答えている。

　「自分は投手として10勝以上、また（打者として）30本塁打以上打てると見ている。もし彼がそれをやってのけたなら、とんでもないことだ」

　さらに今シーズンのチームについて聞かれ、やはり大谷選手への期待感を口にしている。

　「オフにいろいろな選手を獲得し、クラブハウスの雰囲気も信じられないくらい良くなった。ペリー（ミナシアンGM）はいい仕事をしてくれ、ブルペンも安定した。そして大谷が健康さえ維持してくれれば、我々にとって（今シーズン成功する）大きな要素になるだろう」

【回りの人たちに期待を抱かせる存在】

　トラウト選手の言葉は、他の選手たちの気持ちを代弁しているように思う。

　現在リーグ随一の選手と言われるトラウト選手でさえ、これまでの常識を覆すような活躍を期待してしまうほど、現在の大谷選手のプレーは、回りの選手たちからも相当魅力的に映っているということに他ならない。

　唯一の気がかりは、トラウト選手も指摘しているように、シーズンを通して健康を維持できるかどうかだ。その点については、すでに本欄でも報告しているように、マドン監督が従来の起用法にとらわれず、そして制限を設けることなく、大谷選手がプレーしやすい環境を用意しようとしている。そんなマドン監督の起用法にも注目が集まるところだ。

　トラウト選手の言葉に触れながら、回りにいるすべての人をワクワクさせてしまう、かつての大谷選手が戻ってきたという思いを強くした。

　果たしてトラウト選手の予言は的中するのだろうか。今から楽しみにしておきたい。