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さらば将軍。アルゼンチン人コーチが語る「ハビエル・マスチェラーノの引退」

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
常に120%の闘志でプレーし続けた(写真:ロイター/アフロ)

 ハビエル・マスチェラーノ(36)が引退を表明した。

 ワールドカップに4度(ドイツ、南アフリカ、ブラジル、ロシア)出場。ディエゴ・マラドーナがアルゼンチン代表監督に就任した際、「このチームは、マスチェラーノと他10名という顔ぶれだ」と語った程の選手である。

 常に闘う姿を見せ、どんな集団においてもリーダーシップを発揮した。アルゼンチン代表の誇りを、誰よりも理解した男だった。

撮影:著者
撮影:著者

 本コーナーでお馴染みの、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロは言う。

 「36歳ですから、色々なことを自分で考えて決断したのでしょう。唯一無二の闘魂を見せてくれた選手ですから、マスチェラーノのプレーを目に出来なくなるのは寂しいです。

 ブラジルワールドカップで残念ながら我々は2位でしたが、ファイナルまで進めたのはマスチェラーノがいたからこそです。メッシよりもチームに貢献していましたよ。

 アルゼンチン国民も、皆、マスチェラーノを尊敬しています。彼は<General(将軍)>と呼ばれているんです。

 今後は指導者の道を歩み、将来は間違いなくアルゼンチン代表の監督になる男ですよ。プロ中のプロでした。既に指導者のライセンスも取っていますし、コーチ論やリーダーシップに関する本も出版しています。

 最後のシーズンは、母国のファンの前でプレーしてユニフォームを脱ぎたかったのでしょうね。

 コーチとなっても、あの闘志で素晴らしいチームを作ってもらいたいです。アルゼンチン人全員が期待しています」

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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