台風24号・25号 複数台風はなぜ多い?
今年11個目の複数台風
台風シーズンが終わりを迎えるなか、今月13日と14日に相次いで、台風24号と25号が発生しました。また「ダブル台風」の発生です。
同時期に複数の台風が発生していることは決して珍しいことではないので、特別な状況として扱うのは違和感があり、「ダブル台風」という言い方をなるべく使わないようにしています。
それでも、複数台風は珍しくないとしても、今年は少し多いような気がして、まずは今年の複数台風を調べてみました。
左表は複数台風の組み合わせをまとめたものです。
今年4月の「台風4号・5号」を皮切りに、現在発生中の「台風24号・25号」まで、11個の複数台風がありました。(この場合を「個」と数えるのか、悩みました。)
途中、7月には台風9号・10号・11号、3つの台風ありました。「トリプル台風」と騒がれたことを覚えている方も多いでしょう。
夏から秋にかけ、複数台風が途切れることなく続いていることが分かります。
では、本当に複数台風は多いのでしょうか?
デジタル台風を参考に考えてみました。
今年、台風が複数発生していた時期はあわせて46日(10月16日現在)です。
平均すると一年間に約31日ですから、今年は1.5倍ほど多いことになります。
この先、台風24号・25号が消滅するまでどのくらいかかるのか、今後も複数台風が発生するのか、予測は難しいですが、50日以上にもなると、過去あまり例がないようです。
どうやら、今年は台風が複数発生していた期間が例年よりも長いと言えるかもしれません。
どうして台風が複数発生している期間が長いのでしょう?
主な理由は2つあると思います。
ひとつは台風の発生が多いこと。10月半ばで25個を数え、すでに年間発生数の平年値(25.6個)に達しています。今年は台風の発生ペースが速く、常に平年を上回る状況が続いています。
二つめは台風の寿命が長いこと。台風の平均寿命(平年値)は5.3日です。一方、今年は平均して7.2日と、寿命の長い台風が多いです。寿命が長ければ、それだけ台風が重なり合って存在する可能性が高くなると考えました。
また、今年の台風が長寿なのは、発生する海域がいつもより東側に偏っているため、台風が海上にいる期間が長くなり、消滅までに時間がかかっているのです。
この背景には、過去最大級まで発達しているエルニーニョ現象が影響していると思います。
【参考資料】
デジタル台風:活動カレンダー(存在個数)
気象庁:台風について,台風の発生・接近・上陸・経路