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57歳で現役続行を選んだ三浦知良選手。日本サッカー界のパイオニアはどこに向かうのか #専門家のまとめ

下薗昌記記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家
JFLのアトレチコ鈴鹿で現役を続行する三浦知良選手。ブラジルメディアも報じた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 日本サッカー界のパイオニア、カズこと三浦知良選手のJFLアトレチコ鈴鹿への期限付き移籍が、6月25日に発表されました。57歳での現役続行には賛否両論があるのも事実ですが、東京・国立競技場で行った入団記者会見の報道での露出の多さはスターならでは。カテゴリー上では「J4」に相当するJFLでも、未だに集客力を持つ三浦選手の現役続行に関する各種記事をまとめました。

ココがポイント

▼15歳でブラジルに渡り、サッカー王国ブラジルの名門で活躍した三浦選手。期待されるのは自身が持つJFLでの記録更新

・三浦知良がJFL鈴鹿復帰 57歳、最年長得点記録更新に期待(日本経済新聞)

▼ドリブラーだった三浦選手。原点でもあるプレーをめぐり新たな野望も

・57歳カズ、日本復帰会見で語った新たな野望「1対1で仕掛ける」57歳にしてドリブラーの原点に(スポーツ報知)

▼2022年に鈴鹿と対戦したクリアソン新宿戦には、JFL最多の16218人が来場。そのネームバリューは絶大

・カズ、早くも復帰特需か JFL複数クラブが試合会場の集客規模の大幅拡大を模索(日刊スポーツ)

▼57歳での現役続行にSNS上などで賛否両論があるのは事実。ただ、パイオニアの生き様には日本代表OBも理解を示す

・57歳で現役続行 SNS上で「痛々しい」の声も日本代表OBは挑戦支持「カズさんしか得られない権利」【見解】(FOOTBALL ZONE)

エキスパートの補足・見解

 ブラジルのサントスなど名門でプレーした三浦選手は未だに現地での認知度も高く、今回の現役続行をブラジルメディアも「ほとんど60歳。最高齢の選手が新しいクラブと契約」なる見出しで速報しました。

 Jリーグの創設期を牽引し、日本代表でも活躍した三浦選手に全盛期の輝きを求めるのは酷ですが、57歳にして挑戦し続けるその姿に勇気づけられる人がいるのも事実です。

 日本サッカーの低迷期に道なき道を切り開いてきた三浦選手。元日本代表DFの栗原勇蔵さんが「カズさんしか得られない権利」と語った言葉に納得します。

 もはや一プロ選手の枠組みを超えた感もあるパイオニアはこれからも注目を集める存在であり続けるでしょう。

記者/通訳者/ブラジルサッカー専門家

1971年、大阪市生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)でポルトガル語を学ぶ。朝日新聞記者を経て、2002年にブラジルに移住し、永住権を取得。南米各国でワールドカップやコパ・リベルタドーレスなど700試合以上を取材。2005年からはガンバ大阪を追いつつ、ブラジルにも足を運ぶ。著書に「ジャポネス・ガランチードー日系ブラジル人、王国での闘い」(サッカー小僧新書)などがあり、「ラストピース』(KADAKAWA)は2015年のサッカー本大賞で大賞と読者賞。近著は「反骨心――ガンバ大阪の育成哲学――」(三栄書房)。日本テレビではコパ・リベルタドーレスの解説やクラブW杯の取材コーディネートも担当。

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