Yahoo!ニュース

台風18号は東進傾向が鮮明に

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風18号の雲(ウェザーマップ)

東進傾向が鮮明に

台風18号の予報円(ウェザーマップ)
台風18号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁発表)

昨夜28日(水)午後9時、南大東島の南海上で台風18号が発生しました。今月7個目の台風発生で、もともと平年でも9月は5個程度の台風が発生する多発月でもありますが、7個の台風が発生するのは、2016年以来6年ぶりのことになります。

台風18号が発生した当初の予報円では、伊豆諸島の南付近まで進んだあとの動きにかなり不確実性があったのですが(関連記事)、時間とともに東進傾向が鮮明となってきました。

台風18号は、きょう29日(木)午後3時現在、暴風域を持つ台風に発達しており、タイトル画像の雲の様子をみても、台風の中心付近に台風の眼もわずかに確認出来る状態となっています。

このあとは北東方向へやや速度を上げて進み、あす30日(金)は日本の南を東進し、その後予報円の真ん中を進むと、あさって10月1日(土)にはもう八丈島と父島の間を通り、2日(日)には関東の南東海上へ遠ざかる見込みです。

週明け3日(月)から4日(火)にかけての予報円は大きくなり、直径1000キロ前後と不確実性が大きくなりますが、関東や東海など、本州付近に直接的に影響する可能性は小さくなってきたようです。ただ北寄りのコースをとれば伊豆諸島に、南寄りのコースをとれば小笠原諸島に大きく影響するおそれがありますので、引き続き、最新情報にご注意ください。

なぜ東進?

台風18号と太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
台風18号と太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

台風18号の発生当初は、太平洋高気圧に取り囲まれて動きがなかなか定まらない状態でもありましたが、この太平洋高気圧の西側はあまり勢力が強くないと思われ、発生後は真っ直ぐに北上しており、あす30日(金)にかけて、太平洋高気圧の北側に抜けるため、東進傾向が鮮明になる予想です。

多くの計算がそのまま北緯30度付近を東進し、関東の東へ大きく離れる予想で揃ってきましたが、まだなかには太平洋高気圧の流れや偏西風の流れから取り残され、関東の南や東で動きが遅くなってしまう計算もしつこくあるため、特に東海上へ抜けてからの予報円が大きくなっている状態です。

今後、進路が大きく変わることは考えづらいものの、最新情報にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事