【綾町】郷土の民話を次世代へ:図書館で見つける郷土の魅力と子どもに伝える方法
・綾にも民話はたくさんある
綾の昔話で有名なのは、アニメの「日本昔ばなし」でも取り上げられた「カッパとわらぞうり」でしょうか。川中神社に伝わる話で、美しい娘に化けたカッパが水かきを足袋で隠し、人間と結婚。その後子供が生まれたが、カッパであることがばれてしまい、川に帰ってしまう話です。
・てるは図書館には綾の昔話の本が置いてある
図書館には綾の文化、歴史に関する書籍がたくさんありますが、継松敏夫さんの著書で綾の民話を集めた「綾の昔ばなし」も置いてあります。継松さんについては、以前の記事で書いています。
もし今回の民話を聞いて興味が出たのなら、「綾の昔ばなし」を読んでみると良いと思います。出版社など書籍に関する情報が無いのですが、現在は入手困難かもしれません。てるは図書館では貸出可能となっているので、ここで借りて読むのがもっとも手軽な方法だと思います。「綾 郷土資料」のコーナーにあります。
歴史を知るとなおさら、自分の住んでいる町に愛着が湧くと思います。話の多くは寝かしつけ時など、子供に話すために作られた気がします。当時の子供が好きな話は、今の子も好きなはず。実際子どもたちはカッパの話題には飛びついてきます。
「綾の昔ばなし」の中からいくつか紹介してみましょう。
・だまされた狐
松原のいたずら狐とおばあさんの知恵比べ。
・カッパにだまされた源一
上畑橋下流に住むカッパにだまされる子供たちの話。
・人柱をやめさせた知恵小僧
綾に出城を作ろうとして人柱を命じた殿様。それを阻止しようとした子供の話。
・宮谷の火玉
火の玉を捕まえようとする、宮谷に住む若者の話。
・三夜様のモチ
日露戦争時、出兵した孫の身を案じ、お月様に無事を祈った婆さんの話。1ページに満たない話ですが、非常に心に残りました。
・綾のカッパの好物は人間の子供?
色々な人の話を聞いたり、本を読むと、綾はカッパにまつわる伝説が多い気がします。大きな川が2つ町を流れているせいでしょうか。河童伝説は川で遊ぶ時、深いところに行かないように、油断しないようにと子供たちに注意を促す意味もあったのかもしれません。ちなみに民話の一つによると、綾のカッパの好物は人間の子供とか。それも男の子が大好物だとか。そんなこと子供の頃に聞いてしまうと、川に行くとき注意してしまいますね。
・なじみの地区名がでてくると身近に感じる
昔から伝わる民話にはその背景に当時の町の文化、風習、歴史が詰まっています。物語に世界に浸りながら、感覚的にそれらを知ることができると思います。昔話の中には「四枝」「揚町」など今でも残る地区名がたくさん出てきて、それを聞いただけでも親近感が出てくるものです。
・古くからの伝承を絶えないために
綾に古くから伝わる民話。子供たちに読み聞かせてみるのはいかがでしょう。正確に物語を語る必要はないと思います。もともと口頭で伝えられたものですから、世代をまたがるに連れ、話は変わっていきます。家ごとに話の内容も違ったりするでしょう。民話とはそういうものだと思います。そして読み聞かせることから、伝承が始まります。
あるいは……自分で創作した話をきかせるのもいいかもしれません。100年後、それが民話となって語り継がれているかもしれません。
綾てるは図書館
住所: 綾町北俣462-2
駐車場: 有
電話: 0985-77-0180
公式サイト: 綾てるは図書館