Yahoo!ニュース

ダブル台風発生へ…影響が出るのはいつ?各地で猛暑・雷雨・土用波に注意:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
熱帯低気圧情報(気象庁HPより)。いずれも20日夜までに台風になる見込み。

気象庁は19日、2つの熱帯低気圧が20日夜までに台風に発達する見込みであると情報を発表しました。
それぞれ熱帯低気圧aと熱帯低気圧bと名付けられていて、どちらか早く台風になった方が「台風3号」、あとから台風になった方が「台風4号」となります。

(※追記︰20日15時、熱帯低気圧bは台風3号になりました。24日(水)には「強い」台風になる見通しです。)

台風が発生できる環境が整っているということは、南の海上からはこれまで以上に高温で高湿度な空気が流れ込む時期に入っているということ。台風発生前から、暖湿気による猛暑や雷雨に注意が必要です。

都心も含めて雷雨のおそれ

20日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
20日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

20日は朝の段階では日差しの届くところもあるものの、午後になるほど大気の状態が不安定になり、あちこちで突然雨が降り出すでしょう。
急に降り出したかと思ったらバケツをひっくり返したような激しい降り方になり、雷を伴うおそれも。
今回、かなり不安定度が高いため、山沿いだけでなく都心など平地も含めて雷雨に注意が必要です。

暑さも極まり、最高気温は東京・名古屋・大阪・福岡で35度、さいたま37度、熊谷(埼玉)38度の予想で、熱中症警戒アラートも広範囲に発表されています。

沖縄は23日~24日中心に雨、太平洋側各地で「土用波」も

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

記事冒頭に掲載した進路予報では、熱帯低気圧bの24日(水)における予報円の中に沖縄の各島が入ってくる予想となっていますが、雨は接近より前から降り出しそうです。
週間予報では那覇が23日(火)~24日(水)にかけて雨、さらに25(木)~26日(金)についても予報の信頼度が一番低い「C」なので、予報が雨に変わる可能性もあります。常に最新の情報を確認してください。

また、台風がはるか海上にあることによって、離れた場所でも波に「うねり」が加わることがあります。夏の土用の時期に多くなる現象のため「土用波(どようなみ)」と呼ばれることもありますが、ちょうど海水浴シーズンと重なるため、太平洋側ではいつも以上に安全最優先で海のレジャーを楽しんでください。

※筆者のプロフィールからフォロー(リンク先の「+」のボタン)していただくと、日々の天気やテレビではなかなか話せない気象予報の裏側を書いた記事を逃さず読むことができます。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

植松愛実の最近の記事