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身長188センチ、リーチ189センチ、12連勝中のミドル級サウスポー

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C) Amanda Westcott/SHOWTIME

 ミシガン州フリント出身のミドル級、アルドリアル・ホームズが2019年11月15日以来のリングに上がり、デビューからの連勝を12に伸ばした。

 初めて経験する10回戦であり、対戦相手のバーノン・ブラウンも13勝(9KO)1敗1分けと、シカゴ界隈で期待される選手であった。

 ホームズとブラウンには身長で18センチ、リーチで16センチの差があった。サウスポー同士の両者は、序盤から、ジャブを刺し合う。

(C) Amanda Westcott/SHOWTIME
(C) Amanda Westcott/SHOWTIME

 体格的アドバンテージのあるホームズが、やや優勢でポイントを得るもののジャブに鋭さは無く、フットワークのリズムも悪い。第2ラウンドに左拳を痛めたらしいが、身体的特徴を生かせないままラウンドが進む。

 SHOWTIMEが若手を育成する目的で設けた興行内で行われたファイトであり、期待を込めてメインイベントに抜擢された両者だったが、アンダーカードの方がファンを熱狂させた。

 結局、96-94、97-93、98-92のスコアでホームズが勝者となったが、手に汗握るファイトとは、お世辞にも呼べなかった。

(C) Amanda Westcott/SHOWTIME
(C) Amanda Westcott/SHOWTIME

 試合後、ホームズは言った。

 「今夜、俺は再生した。自分がやれることを示したと思う。2回に左拳を負傷し、思うようにパンチが出せなかった。痛みを堪えるのに必死だったからね。家族の支えを思い出して、痛みを乗り越えたよ」

 今回のパフォーマンスは称えられたものではないが、身長188センチ、リーチ189センチの体躯は魅力だ。27歳のホームズが、その肉体を武器とできるようなスタイルを学ぶことが成功の鍵となるであろう。

 ホームズの明日はどっちだ?

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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