Yahoo!ニュース

木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』入門 織田信長が子供達にキラキラネームを付けた理由

濱田浩一郎歴史家・作家

木村拓哉さん主演の映画『レジェンド&バタフライ』が公開され、話題を呼んでいます。木村さんが演じるのは、戦国武将の織田信長。信長は、織田信秀の子として生まれ、幼名(元服以前の名)は、吉法師と言いました。

これは、おかしな幼名ではないですが、実は信長は自分の子供達には、一風変わった幼名を付けているのです。キラキラネーム(奇抜な名前)を付けることが、現代で問題にもなっていますが、さて、信長は子供にどんな名前を付けたのか?

信長の嫡男で後継者となったのは、織田信忠ですが、信忠の幼名は、奇妙丸。顔が奇妙だったから、そう名付けられたと言います。

信長次男は、織田信雄ですが、信雄の幼名は、茶筅(ちゃせん)。茶筅とは、抹茶を点てるのに使う茶道具で、湯を加えた抹茶を茶碗の中で混ぜるための道具のこと。信雄の幼名は、髪を結ったら茶筅のようになりそうというのが、命名の由来と言われています。

信長三男は、織田信孝。幼名は三七。やっと普通の名前を付けてくれたという感じでしょうか。

信長にはまだまだ子供がいるのですが、変わった幼名で言うと、9男の織田信貞も変わっています。幼名は「人」です。うん、確かに人には違いないのですが・・。

10男の織田信好の幼名は良好。良好とは「良いこと。優れていること」の意味がありますので、変わった幼名かもしれませんが、縁起の良い名ではあります。

信長は「風雲児」とか「革命児」などと言われることがありますが、子供への名前の付け方を見ていたら、直感的で素直で、独特な感性を持っていたと推測されます。それが幼名の付け方にも現れたのではないでしょうか。

歴史家・作家

1983年生まれ、兵庫県相生市出身。皇學館大学文学部卒業、皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『北条義時』『仇討ちはいかに禁止されたか?』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)ほか著書多数

濱田浩一郎の最近の記事