【英会話】アニメの演出家の友達と話したんだって言ったら、不自然な言い方だね って言われた。なんで?
20年ほどNative English Speakerのマネージャーをしています。彼らと話すときは当然英語なんですが、伝わるけど不自然だね、と言われることがまだまだあります。遠慮なく指摘してくれって頼んでるのもあるんでしょうけど、ホント遠慮なしです。裏でしくしく泣いちゃう。
そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと関係代名詞を使うタイミングがわかるお得なエッセイです。
アニメの演出家の友達と話したんだ
朋(とも)あり遠方より来たる また楽しからずや
なんてことを言いますが、大学からの付き合いが続いている友人が何人かいます。李徴(りちょう)ほどではないですが、性、狷介(けんかい)な私としてはありがたいことで、たまに会って呑んだりもする。
このあいだも、最近はまったアニメの「葬送のフリーレン」について話そうぜ~ とそのうちの一人を誘ったら、是非是非と即レスが来た。この男、アニメの演出家をしていまして、こいつもいろいろ話したいことがあったらしい。会員制バーなる身分不相応なところで呑んだんですが、久しぶりにオタクトークを存分に愉しみました。大学を出て30年、それぞれにその道を邁進していて同じ作品について話すにしても、観点が違ってほほ~とかへえ~ということがお互いにある。まさしく「楽しからずや」です。
そんな話を、Native English Speakerの友人のRichにしたんですが、今回は冒頭でいきなり不自然だねって言われちゃいました。その上、こういう時こそ、あれを使えよ って苦笑い。私がどんな英語を言ったかというと、
I talked with a friend, an animation director, last Friday. (この前の金曜にアニメの演出家の友達と話したんだよ)
なんです。友人で、そいつが何者かということを伝えるために、並置したんですが、これが不自然なんですねぇ。一瞬ふたりいるのか(友人とアニメ演出家)、ひとりなのかわからなくなるとのことでした。
みなさんなら、どう表現されるでしょうか?
「こういう時こそ、あれを使えよ」という前フリがあるのでピンと来られたと思いますが、使うべきなのは関係代名詞です。一般名詞(今回は友人)を出しておいて、それが他のもの(他の友人)と違うことあらわしたい、こういう場合にこそ使うべきものなんですね。
なので、私が言うべきだったのは、
I talked with a friend who is an animation director last Friday.
これで、話したのはひとりで、そいつがアニメ演出家だとすっきりわかるとのことでした。
英文を見るとあまり違いをわれわれNon Native English Speakerは感じませんが、Native English Speakerにとっては大きな違いのようです。一般名詞を出しておいて、他との違いを伝えたい そんなときには手間省きをせずに関係代名詞を使ってください。
でも、ちょっと考えると、こんなところにも英語の特徴が出て面白いです。英語は出来るだけ具体的に明瞭に、現実を写し取ることを好む言語です。受け手まかせにして、余りや余韻を愉しむ日本語とはぜんぜん違う。英語を話すときとは、ちょっと気持ちを切り替えましょう。はっきり伝えることでNative English Speakerと友達になれますよ。ゆくゆくは、
朋あり海外より来たる
となるかも。これも また楽しからずや ですね。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。 お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
そういえば、a friend who ~ 以外の表現をお伝えしていませんでした。friend のように違いをあらわす必要がよく生じるのは、thing やperson, company などの意味の広い単語です。
a 形容詞 thing which(that) ~ : ~する形容詞なもの
例 good things which(that) happened this year (今年起こった良いこと)
a person who(that) ~ : ~する人
例 a person who(that) can be counted on (頼りになる人)
a company which(that) ~ : ~する会社
例 a company which(that) I worked with (私が働いていた会社)
こんな感じで使います。
イラスト 大橋啓子