羽生善治九段(51)今期B級1組で初黒星 久保利明九段(46)に敗れる
7月28日。第81期順位戦・B級1組3回戦がおこなわれました。結果は以下の通りです。
澤田 真吾七段(2勝0敗)○-●屋敷 伸之九段(1勝2敗)
羽生 善治九段(2勝1敗)●-○久保 利明九段(2勝0敗)
三浦 弘行九段(2勝1敗)○-●山崎 隆之八段(1勝2敗)
千田 翔太七段(1勝2敗)●-○佐々木勇気七段(1勝2敗)
郷田 真隆九段(1勝2敗)●-○横山 泰明七段(1勝2敗)
近藤 誠也七段(0勝3敗)●-○丸山 忠久九段(2勝1敗)
中村 太地七段(2勝0敗)空き番
大阪・関西将棋会館でおこなわれた▲羽生善治九段(51歳)-△久保利明九段(46歳)戦は23時44分、132手で久保九段が勝ちました。
久保九段、終盤の寄せ合いを制す
後手番の久保九段は四間飛車の作戦。穴熊に組もうとしたところで羽生九段が動き、局面が動きます。
角交換のあと、久保九段は自陣に角を据えてまとめました。対して羽生九段は角を手持ちにしたまま銀冠の堅陣に組んで、次なる決戦に備えます。
羽生九段は盤面左右の歩を突き捨てて、いよいよ本格的な戦いが始まりました。久保九段はうまく飛車をさばいて相手陣に成りこみます。対して羽生九段は穴熊の急所である端に銀を捨てて形を乱し、自陣に馬(成角)を引きつけて相手の龍(成飛車)と交換。形勢ほぼ互角の終盤に入りました。
98手目。久保九段は自陣の銀取りを放置して、相手陣に飛車を打ち込み、寄せ合いに出ます。持ち時間6時間のうち、残りは羽生40分、久保9分。
羽生九段は8分考えて龍で銀を取りました。久保九段はガツンと持ち駒の金を投入して龍をはじきます。ここで形勢の針は少し、久保九段の側に傾いたようです。
久保九段は玉の遠さを活かして、一手勝ちに持ち込みました。最後は久保九段が羽生玉を即詰みに討ち取って終局。今期B級1組序盤の大きな一番が幕を閉じました。
久保九段はこれで2勝0敗。A級復帰に向けて好スタートを切りました。
一方の羽生九段は2勝1敗。今期順位戦、初黒星です。
まだまだ長丁場のB級1組順位戦。次節4回戦は8月18日におこなわれます。羽生九段は空き番で休みです。
羽生九段の公式戦連勝は、8でストップです。