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人からもらったけど「捨てられない食器」はどうすればよいか?片づけのプロが解説

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

「人から頂いたけど、あまり好みではない食器はどうしたらよいでしょうか」とたまに聞かれます。(特に50代以上の方に多いです)

できる事なら手放してしまいたい、だけど人から頂いたモノだから申し訳なくて手放せないのでしょう。きっと多くの人が私もそう!と思うではないでしょうか。

結論としては、気に入らないなら使わないことを選んでもいい。自分の家に入ってきたモノのことは自分で決めてよいのです。

今日は人からもらった食器を捨てた女性のお話です。

思い切って食器を捨てたら心が満たされたAさん

結婚後義理のお母さんから大量の食器を頂いたAさん。

新品もあれば使い古された食器もあります。気に入ったモノは使っていましたが、好みに合わないモノは使わずに食器棚にしまい込んだままでした。

その後、Aさんの義理のお母さんは亡くなり何年も経ち、勇気を出して夫に「もう使わない食器を処分し新しい食器を買って良いか」と相談したところ快諾してもらえ、さっそく食器を買い換えたそうです。

新しい食器が食卓に登場した夕飯の時、Aさんはやっと食卓が我が家のものになったと思ったそうです。

その時1番上の子は高校生でした。子どもは日々成長していき、やがて塾で帰りが遅くなったりし家族全員で夕飯を食べることができなくなります。だからこそ家族との食事の時間を大切にしたい!とAさんは思い切って食器を捨てたのです。

ちなみにAさんの家族はAさんの気持ちには気づいていないでしょう。気づいたとしても「食器が新しくなった」という事実くらいです。

それでも、自分の選んだ食器が家族との大切な時間の中に存在しているということがAさんの気持ちを大きく満たしたのでした。

どうしても食器を捨てられないの対処法

モノには役割があります。ただその役割は人それぞれの価値観で変わります。

例えば洋服なら、とりあえず寒さをしのぐだけのモノと考える人もいれば、自分を表現するモノと考える人もいます。それは同じ人間でも時と場合によっても変化します。

食器も同じ。とりあえずお腹を満たすための食べ物の入れ物として考えるのか、家族との食事の時間の演出に欠かせないモノと考えるかで、食器の扱いや選ぶ基準が大きく変わってきます。

「人から頂いたけど気に入らない食器はどうしたらいいのか?」という問題は、自分にとって、食器はどういう役割なのか、食事の時間をどう考えるのかによって、答えが変わってくるということです。

食器は割れていないと捨てにくいものです。私は気に入らなかったら捨てることを推奨しているわけではありません。でも気に入らない食器を使うことが、嫌でストレスを感じるのであれば我慢をする必要はないと思っています。

人から食器を頂いた気持ちの部分は大切にしないといけません。しかし人から頂いたモノに自分の暮らしを左右されなくてよいのです。

それでもやっぱり人から頂いた食器は捨てられないというのであれば、今の食器棚から一旦別の場所に移動させてみてください。

段ボールに入れて別の場所へ移動してもよいですし、食器棚の一番上などあまり使わない場所へまとめてしまってもよいです。そうすることで、食器棚は確実にお気に入りの食器だけが残ります。

一度お気に入りの食器だけの生活を体験してみるのです。

食器棚にお気に入りの食器が並んでいる生活をしてみると、調理や食事の時間の質も変わってきます。その変化を感じてから別の場所に移動させた食器はどうすればよいか考えてもよいと思います。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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